追悼:2022年9月30日、三遊亭円楽さんがお亡くなりになりました。
謹んで、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
円楽さんがプレバトで詠まれた俳句、心に残る句がたくさんありました。
円楽さんの句に敬意を表し、このサイトはこのまま掲載させていただきたいと思います。
円楽さん、ありがとうございました。
Happaism管理人
円楽さんといえば、有名な落語家で笑点のインテリ腹黒友達いないキャラの紫の人として知る方が多いでしょうか。
腹黒友達いないキャラの一面、知的な面はプレバトでも異観なく発揮されてました。
名人に昇格された円楽さんの2018年からのプレバト俳句を、鑑賞して追悼したいと思います。
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三遊亭円楽さんの俳句一覧
病院の 脂の抜けた蒸し秋刀魚
金秋戦Bブロック3位
お題「食欲の秋」
病院の 脂の抜けた蒸し秋刀魚
びょういんの あぶらのぬけた むしさんま
添削後:
病院や 油の抜けた蒸し秋刀魚
自らの入院時の実体験を詠んだ句。入院していた時に出てきた秋刀魚は、脂が抜けた蒸し秋刀魚で、食欲がないのに食べる気がしないよ、という実体験だったのだそうです。
食べ物の季語の場合は、「美味しそうに」、というのが俳句の定石だそうです。
夏井先生は、この句は逆においしい秋刀魚を想像させようという企みがあるのではないかな、と読んだとのこと。
「病院や」として添削されました。
夕立や 尻っぱしょりを犬が追う
お題「雨宿り」
夕立や 尻っぱしょりを犬が追う
ゆうだちや しりっぱしょりを いぬがおう
添削なし
落語家だからタイムマシーンに乗ってみた、という円楽さん。
江戸の風景の絵に、雨が降ってきた中を皆が走っている絵があり、尻っぱしょりで走る人を犬が追っている絵があったのを詠んだ句だそうです。
「や」「を」「が」という助詞の選択が評価のポイントという夏井先生。
この句の評価は、1ランク昇格!
円楽さんは、名人初段に昇格されました。
軽やかでに力が入らないスッキリとした句だと夏井先生は大絶賛。
尻っぱしょりで人物だとわかる。「を」で対象がわかり、「追う」という動きで終わっていることで跳ねる泥や降る雨などで夕立の激しさに読み手の意識が来る、と夏井先生の解説でした。
季語をしっかりと描くこの句は、直しなし!
円楽さん、おめでとうございました。
山里や 三橋美智也の春の歌
春光戦予選Dブロック第2位
お題「きのこの山」と「たけのこの里」
山里や 三橋美智也の春の歌
やまざとや みはしみちやのはるのうた
添削なし
三橋美智也さんが歌っていたスナック菓子カールのCMソングに発想を飛ばした一句。
三橋美智也さんのカールは「春」が最初。甘い歌声が山里を思い起こして、広がっていく甘さとお菓子と我々世代はそれしか浮かばない、と円楽さん。
夏井先生は、この句は、単純に書いているように見えますが、俳句としてみたとき難しい技を取り入れていると解説。
頭に季語ではない名詞を「や」で強調。固有名詞は知っている人には情報が伝わるが、知らない人には情報が伝わらない。
「春」という季語は主役に立っている。「や」と名詞止めも型としてきっちりできている。
下手なことをしないことで成功していると大絶賛でした。
弁慶が時計している 村芝居
お題「7時過ぎの時計」
弁慶が時計している 村芝居
べんけいが とけいしている むらしばい
添削後:
弁慶は時計したまま村芝居
「村芝居」は秋の季語。高橋英樹さんがスリッパをはいたまま、本番に出てきてNGになったのを思い出して詠んだという円楽さん。
この句のようにほのぼのとしているのが好き、だそうです。
夏井先生は、語順も良いと高評価。ただ「時計している」「が」では脚本、演出で時計をしているように読まれる可能性が残っている。
それをはっきりさせるために、添削されました。
サングラス外して探すカードかな
お題「ポイントカード」
サングラス 外して探すカードかな
さんぐらす はずしてさがす かーどかな
添削なし
ごく日常のワンシーン。老眼で明るいところでないと何も見えない。素直に平凡に見える句を作ってみたと円楽さん。
あっさりと現場を見事に的確に書いている句。サングラスは眩しいからかけるものだが、「外す」と季語の本質を逆から表現していると夏井先生の解説。
添削無しで夏のタイトル戦決勝で見事3位となりました。円楽さん、おめでとうございます。
氷壁崩落白玉を掘り出す
炎帝戦予選Dブロック1位
お題「アイスクリーム売り場」
氷壁崩落 白玉を掘り出す
ひょうへきほうらく しらたまをほりだす
添削なし
かき氷の思い出をいろいろ思い出していたら、白玉をとろうとおもったら氷壁が崩落と大げさに。
「氷壁崩落」でアイガー北壁?南極の氷か?と思わせておいて、「白玉」
その間合いが面白い。
「この飄々とした味わい、円楽さんがもともと持っている素質がやっとこの句で出たと思います」、と夏井先生、大絶賛でした!
円楽さん、タイトル戦決勝に進出を決めた句です。
明くる朝 接木に孫の絆創膏
春光戦予選Bブロック6位
明くる朝 接木に孫の絆創膏
あくるあさ つぎきにまごの ばんそうこう
添削後:
接木には アンパンマンの絆創膏
人生も子へ孫へと接木のようなもの。ふと見ると接木に孫がはった可愛い絆創膏が貼ってある。という光景を詠んだと円楽さん。
「接木」が春の季語。
夏井先生は「発想としては良かった」子どもが絆創膏をあちこちに貼るという句はたくさんあるが、接木に貼るというところがいい。
絆創膏と接木のアップだけで句になると、絆創膏の映像だけで子どもが貼ったとわからせる描写を加え添削されました。
秋天に産廃の冷蔵庫口を開け
お題「冷蔵庫」
秋天に産廃の冷蔵庫口を開け
しゅうてんに さんぱいの れいぞうこくちをあけ
添削後:
秋天に口開け産廃冷蔵庫
冷蔵庫の行く末を想像し、口を開けというのは喋り始めるような寂しさを詠んでみたという円楽さん。
もう使われていない冷蔵庫を詠んだ句は俳句甲子園でも多く詠まれるそうで類想感がでてしまうことと、語順をなおす先生の添削となりました。
円楽さん自身も「生きているだけでいい」とコメントされていましたが、円楽さんが元気になって戻ってきてくださってファンもとても嬉しいです。
これ頂戴 鰆の値札 舐める猫
お題「春の鮮魚店」
これ頂戴 鰆の値札 舐める猫
これちょうだい さわらのねふだ なめるねこ
添削後:
上目遣いに鰆の値札舐める猫
魚をくわえると叱られると知っている魚屋の猫が、値札をなめてご主人におねだりしているという句。
夏井先生は川柳のように面白がらせる句だと評価。上五を猫の描写に変えて俳句らしい味わいの句に添削しました。
のどかな魚屋の店先の光景が浮かんでくるようです。
円楽さんも「主人見て」にしたらどうだろうと上五の別バージョンを考えていました。
結露拭くコタツ列車の窓の笑み
お題「こたつとみかん」
結露拭くコタツ列車の窓の笑み
けつろふく こたつれっしゃの まどのえみ
添削後:
復興の町こたつ列車の結露拭く
駅の小旗こたつ列車の結露拭く
三陸鉄道の北リアス線に発想を飛ばして詠んだ句。
震災で途絶えていた北リアス線が復活し「こたつ列車」が走る時、窓の結露を拭いてみると、車窓の光景は復興していく街並み。乗っている人と、列車をみている町の人の両方の笑みがこぼれるという句。
夏井先生はどちらかの思いで「復興」か「歓迎」かを選んで書くべきと添削しました。
結露の窓の向こうに見える光景が、今後ますます明るい街並みになっていくよう祈りたくなる句だと感じました。
段雷に靴紐きつく秋の朝
お題「運動会」
段雷に靴紐きつく秋の朝
だんらいに くつひもきつく あきのあさ
添削なし
段雷(だんらい)という聞きなれない言葉は、運動会などで鳴る音だけの花火のこと。
夏井先生も知らなかったこの言葉と、靴紐を「きつく」と表現することで、運動会の朝のやるぞ!という決意を詠んだ句は先生大絶賛。
見事1ランク昇格しこの句で特待生1級に!
円楽さん、おめでとうございます。
老いてなほ 色変えぬ松 芸の道
お題「紅葉の絶景」
老いてなほ 色変えぬ松 芸の道
おいてなお いろかえぬまつ げいのみち
添削後:
色変えぬ松 高座に遺す 扇子一本(かぜいっぽん)
2018年7月に亡くなった、桂歌丸さんへの追悼句。
夏井先生は、扇子と書いて「かぜ」とよむ落語家さんたちのことばを用い、歌丸師匠への追悼句としてより人物像がはっきりとした句に添削されました。
歌丸さんが晩年、体に無理しながら笑点や高座を務められていた様子が浮かぶようです。
前カゴでチワワ吠え背なで子の泣く暑さかな
お題「公園の自転車」
前カゴでチワワ吠え背なで子の泣く暑さかな
まえかごでちわわほえ せなでこのなく あつさかな
添削後:
前カゴで チワワ背で子の 泣く暑さ
円楽さんは小犬が鳴く声も子どもが泣く声もお母さんが暑いのも、どこも削れなかったため、上五を10文字とし字余りにチャレンジしたという一句。
やろうとしていることは正しいと、目の付け所を夏井先生は評価。
しかし夏井先生の手にかかれば、五七五ですべて言い切れてしまうという添削に、感嘆しました。
鳴いている犬や泣いている子には悪いのですが、確かに暑苦しさを倍増させてしまうお母さんにとって気の毒な状況がありありと目に浮かぶ句でした。
銭湯で 花見の日取り 決まりけり
お題「桜と富士山」
銭湯で 花見の日取り 決まりけり
せんとうで はなみのひどり きまりけり
添削後:
銭湯で決まる花見の日取りかな
銭湯は下町の社交場。お風呂に入ってワイワイとにぎやかにおしゃべりしている町内の顔なじみさんたちが、花見の日取りを決めたよという句。
添削では「決まりけり」を「日取りかな」と締めるように添削されました。
落語の一場面に出てきそうな銭湯の光景が目に浮かびました。
三遊亭円楽さんの俳句のまとめ
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このサイトを円楽さんも観てくださると嬉しいな!と思います。
特待生1級に円楽さんと志らくさん、おふたりの落語家さんがいらっしゃいます。
名人に昇進されるのがどちらが早いのか、ファンとしては落語家対決にも目が離せません。
お体、無理されませんように、でもプレバトにもたくさん出演していただきたいな、と思っております。
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