プレバト!!の史上4人目の永世名人となられた千原ジュニアさん。
夏井先生からよく勉強している、真面目だ!といつも感心されています。
かつては「ヘビメタ」や「ナナハン」などの俳句、最近では、家庭人としてほっこりした句や真面目さがにじみ出る句で、幅広い人間性を感じさせてくれる千原さんです。
ジュニアさんの2019年4月からのプレバト俳句を、鑑賞して応援しましょう!
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千原ジュニアさんの最近の俳句一覧
春嵐 継父と見上ぐ 観覧車
お題「遊園地」
春嵐 継父と見上ぐ 観覧車
はるあらし けいふとみあぐ かんらんしゃ
添削後:
継父と見上ぐ 春の嵐の観覧車
楽しい場所である遊園地に、新しいお父さんと観覧車に乗らないといけないような状況で不安な感じを詠んだとジュニアさん。
お母さんの再婚相手の新しいお父さんと二人、これから観覧車に乗る子どもの心情を詠んだジュニアさん。
夏井先生は、見上ぐの使い方を正しくなおして添削されました。
コロナ7日目 レトルト絞る 遅日
お題「レトルト」
コロナ7日目 レトルト絞る 遅日
ころななのかめ れとるとしぼる ちじつ
添削後:
コロナ七日目 レトルト絞り切る遅日
遅日とは、春の日暮れが日に日に遅くなること。
コロナに感染したときのことを詠んだ、とジュニアさん。明日から始まるぞ!と思ったのをコロナの7日目を詠みたくなったのだそうです。
とジュニアさん。
あと少しのリアルを、と夏井先生。
コロナ7日目と遅日の季語の取り合わせは良い。
俳句では七と漢数字で書くのが基本だが、それは本人に任せる。
リアリティーを入れて絞り切ると添削されました。
サンタへの手紙 貼られたままの春
お題「冷蔵庫のメモ」
サンタへの手紙 貼られたままの春
さんたのてがみ はられたままのはる
添削なし
読者に自由に読んでいただけたらいいかな、と思って詠んだ句。
かわいらしい子どもの手紙を捨てられずに貼ってある、と読んでも、別れた子どもの書いた手紙をいまだに捨てられない、と読んでもらってもいい、とジュニアさん。
夏井先生の査定は、掲載決定!
句に奥行があると夏井先生の高評価でした。
可愛いから貼っていると読むところから出発するが、離婚などで親として会えない状況なのではないか、せつなさ、憂いなどを内包した季語、と夏井先生の解説。
こういう展開の句を知っている点で永世名人として急に立派になっている、と夏井先生。
初蝶の止る 擬宝珠の刀傷
ふるさと戦 京都府
お題「春の三条大橋」
初蝶の止る 擬宝珠の刀傷
はつちょうのとまる ぎぼうしのかたなきず
添削例:
初蝶のきて 擬宝珠の刀傷
擬宝珠(ぎぼうし/ぎぼし)とは橋の欄干の上に装飾される飾りのこと。
欄干の擬宝珠に刀傷がついている、新選組がつけたといわれている、傷と千原ジュニアさん。
あの写真の中に、初蝶という季語をみつけた。その年自分が初めて見た蝶を初蝶という。
擬宝珠に刀傷があるとかけば、古い歴史のある町の欄干に違いないと思える。
これは良く頑張りました、と夏井先生。
この句でジュニアさんは、みごと京都府のふるさと俳人に選ばれました。
おでん屋の 一皿は先ず神棚へ
お題「おでん」
おでん屋の 一皿は先ず神棚へ
おでんやの ひとさらはまずかみだなへ
添削なし
永世名人に王手となっている、ジュニアさん。緊張の査定です。
開店と同時に入ったおでん屋さんが、まずおでんを3品くらいお皿にとって神棚に置いていたのを思い出して詠んだという句。
夏井先生は、助詞オタクの集大成と大絶賛。見事1つ前進!
史上4人目の永世名人に昇格されました。
「の」「は」「へ」という助詞が、細かなニュアンスまで伝えられるようになっている。
一皿「を」先ず、でも意味は通じる、と夏井先生。
「は」にするとその一皿はどうするのだろう、と第三者が見ているニュアンスになり、ジュニアさんがお店に入って見た、というその第三者視点を表現できている。
「先ず」でその日の最初の一皿だとわかる。
「へ」で方向と動きが出ている。助詞オタクの集大成と大絶賛でした。
焼鳥や 嗚呼隣席に 郷ひろみ
お題「ラッキー」
冬麗戦第6位
焼鳥や 嗚呼隣席に 郷ひろみ
やきとりや あありんせきに ごうひろみ
添削なし
攻めすぎたかな、というジュニアさん。
この句は体験談のままで、焼き鳥屋で隣の席に郷ひろみさんがいて、ごちそうになってしまったというジュニアさんの実話の句。
楽しませてもらったと夏井先生。「や」のあとに嗚呼があってこれ以上ない語順。
俳諧とはおかしみ、滑稽という意味。これはこれ、直しなし!と夏井先生。
バス見えて バス停の毛布を畳む
お題「観光バス」
バス見えて バス停の毛布を畳む
ばすみえて ばすていのもうふをたたむ
添削なし
田舎の町の屋根のついたバス停に、きれいにたたまれた毛布があったなぁという思い出を詠んだジュニアさん。
夏井先生の査定の結果は、1つ前進 ☆4つに。
通常は、「見えて」から「畳む」という叙述は本来失敗するやり方、と解説。
この句の場合は、バスが見えてきて毛布を畳むという、作者の細やかな動作が見えてくる。
毛布をお借りしましたという感謝を込めてきちんと畳んでいるに違いないと、夏井先生。
ジュニアさんの句はまじめで地味だが、滋味、心情の豊かさがある、と大絶賛でした。
カラオケの二番の途中 コート脱ぐ
お題「カラオケ」
カラオケの二番の途中 コート脱ぐ
からおけのにばんのとちゅう こーとぬぐ
添削なし
カラオケに行ったらすぐに曲を入れて熱唱し始める人。盛り上がって二番の途中あたりでコートを脱ぎ始めるという様子を詠んだ、とジュニアさん。
夏井先生は、名人らしい強いリアリティだと大絶賛。
二番の途中あたりから体が温まりコートを脱ぎ捨てる、室内なのにコートという季語が主役に立っている、と解説されました。
ジュニアさんはみごと☆1つ前進。☆3つに返り咲きました。おめでとうございます。
銀杏落葉や カチンコの渇いた音
お題「神宮外苑の銀杏」
銀杏落葉や カチンコの渇いた音
いちょうおちばや かちんこのかわいたおと
添削後:
カチンコの渇きや銀杏落葉霏々
季語は「銀杏落葉」。
神宮外苑は映画やドラマの撮影地の定番。ジュニアさんは寒い朝、緊張しているときにカチンコの渇いた音を思い出して詠んだ、とのこと。
夏井先生は素材の良さを褒める一方、もったいないとも。それはカチンコに「音」のが入っているため。
最後に季語を持ってきて「霏々」という言葉で落葉が降りしきる様子を表して添削されました。
秋立つや 十七画の名を吾子に
金秋戦決勝6位
お題「大谷翔平」
秋立つや 十七画の名を吾子に
あきたつや じゅうななかくのなをあこに
添削なし
「秋立つ」が季語。
8月に出産した夫婦が、大記録を立てた大谷翔平選手にあやかって「翔平」と同じ17画の名前を子どもにつける、という様子を詠んだ句。
夏井先生は、自分の子どもが生まれた時の句、として読むと良い句だと高評価。
常連に席譲られし秋の夜
ふるさと戦 福岡 4位
お題「中洲の屋台」
常連に席譲られし秋の夜
じょうれんに せきゆずられし あきのよる
添削なし
優勝者はふるさとの観光PRポスターに句と名前が掲載されるふるさと戦。
ジュニアさんが福岡県にエントリし、中州の屋台で常連さんに席を譲られた体験を詠んだ句。
夏井先生は、飲み屋や屋台で「秋の夜」という季語で静かにまとめている点を評価。
写真俳句では、写真×俳句の掛け算の効果が求められる、とアドバイスされていました。
豚饅の油染むべい独楽の紐
金秋戦予選Cブロック1位
お題「食欲の秋」
豚饅の油染むべい独楽の紐
ぶたまんのあぶらしむ べいごまのひも
添削なし
「べい独楽」秋と「肉饅頭」冬の季語。
豚まんを食べた手についた油が独楽の紐に染みている、という子どもたちが豚まんを食べて勝負再開する様子が見える句に、夏井先生は、よくこんな句を作ったなと密かに感心していると大絶賛。
見事、予選を一位通過しました。
キオスクの夕刊フジに秋茜
お題「駅の売店」
キオスクの夕刊フジに秋茜
きおすくのゆうかんふじに あきあかね
添削なし
季語は「秋茜」。
夕日のオレンジのイメージと、夕刊フジのオレンジ色、また秋茜のオレンジ色を、駅の売店の写真から表現している句。
夏井先生は、ジュニアさんを「助詞オタク」と呼び、「に」を選んだことで売店のラックにある夕刊フジに秋茜、と光景が分かり、また秋茜が主語に立っていると大絶賛。
みごと3連続☆前進となりました。
故人との弾みしメール 夜の秋
炎帝戦13位
お題「メール」
故人との弾みしメール 夜の秋
こじんとのはずみしめーる よるのあき
炎帝戦の放送では10位までの発表だったため、ジュニアさんのこの句は放送されませんでした。
病室の七夕竹に一礼す
お題「七夕」
病室の七夕竹に一礼す
びょうしつのたなばたたけにいちれいす
添削なし
「七夕竹」が季語。
入院している身内のお見舞いに病院に行ったとき、七夕の短冊に書かれた医学的な専門的な願いを見て、感謝の一礼をする気持ちを詠んだという句。
夏井先生は、非常に印象的な作品だと高評価。
場所が「病室」と書くことで誰かの願いが書かれていることがわかり、「一礼す」でドラマが読み取れる、これが10段の句、と大絶賛でした。
夏いよよサンドバッグは歪みけり
お題「ガッツポーズ」
夏いよよサンドバッグは歪みけり
なついよよ さんどばっくはゆがみけり
添削なし
季語は「夏」。
試合に向けボクサーがパンチを練習することによって、サンドバックが歪んでいる。いろいろな人の思いが詰まる光景を詠んだという句。
夏井先生は、「けり」とはずっとそこにあったが、今気づいたという感触の切れ字。
練習の成果の歪みに気づいたことが表現できていると称賛。
みごと☆1つ前進となりました。
帰省して貼られたままの犬シール
お題「待ての犬の写真」
帰省して貼られたままの犬シール
きせいして はられたままの いぬしーる
添削なし
「帰省」が季語。実家の犬は亡くなったが、実家の玄関には犬シールが貼られたままになっているのを詠んだ句。
夏井先生は、感情がうまく表現できている、と高評価。
「帰省せり」と言い切らずに「して」というところで作者の後ろめたい帰省、負の感情が表現されていると判断した、と解説。
ジュニアさんは見事、名人10段に昇進されました。
開き癖図鑑の虎に春夕焼
お題「動物図鑑」
開き癖図鑑の虎に春夕焼
ひらきぐせ ずかんのとらに はるゆやけ
添削後:
春夕焼 図鑑の虎に開き癖
「春夕焼」が季語。
小さい時、トラが好きで図鑑でトラのページに開き癖がついてしまい、夕陽が差し込んだ光景を詠んだという句。
夏井先生は、語順を添削し、図鑑の開き癖に夕陽がさすとわかる語順に添削されました。
迫る電柱 顔面5mmの春
春光戦決勝9位
お題「ハプニング」
迫る電柱 顔面5mmの春
せまるでんちゅう がんめんごみりのはる
添削後:
顔面潰る電柱 スローモーに春
21年前のバイク事故を詠んだ一句。
バイクのヘルメットを半キャップに変えた日に事故にあい、顔面5mmに電柱が迫ったところまでで記憶がなく、意識を取り戻すと病院だったという記憶だそうです。
夏井先生は、5mmが謎に残るので、スローモーションに見える感覚に置き換えて臨場感を出した句に添削されました。
トラクター 祖父の膝乗る 春休み
春光戦予選Aブロック2位
お題「ライスorパン」
トラクター 祖父の膝乗る 春休み
とらくたー そふのひざのる はるやすみ
添削なし
農家をしていたおじいさんが田んぼに行くトラクターで膝に乗せてくれた楽しい思い出を詠んだ句。
子どもが詠んだ句のようにしたそうです。
夏井先生は、思い出を17音に落とし込んだジュニアさんの技術力を大絶賛。
トラクターで作っているのが米なのか麦なのかという2択でテーマにも沿っていると見事2位となり、決勝にも進出されました。
不登校児に届く 卒業証書
お題「宅配便」
不登校児に届く 卒業証書
ふとうこうじにとどく そつぎょうしょうしょ
添削後:
不登校児宛に 卒業証書の筒
中学校の時、学校に行っていなかったという千原さん。卒業式の日に自宅に卒業証書が届き、いよいよどこかに出ていかなくてはならないなぁと思った経験を詠んだ句だそうです。
夏井先生は、詩としての手触りがもう少しだけあればと、卒業証書の筒を使って添削されました。
雪吊や 登校拒否の 吾と祖母と
冬麗戦 第4位
お題「人生ゲーム」
雪吊や 登校拒否の 吾と祖母と
ゆきつりや とうきょうきょひの あとそぼと
添削なし
人生ゲームほとんどやっていない、思春期には学校に行ってなくて今でいう引きこもりだった。
おばあちゃんと旅行に行って兼六園で雪吊りをみた時、縛られたくないけど縛らないと折れてしまうしという、その時の感じがでてきた、というジュニアさんの少年時代の思い出の句です。
奥行きが深い句だなと夏井先生。読めば読むほどひかれていくタイプの句だそうです。
「登校拒否」で状況がわかる。私と祖母の2人がポツンとそこにいる。学校に行っていない孫を見守るようにおばあちゃんがそこにいる。またはおばあちゃんが記憶をつむぐことができなくなっている、とも読める。そこが深い。
雪吊という季語が動くか、動かないかが、議論の対象になりそうだが、作者の抜き差しならないリアリティが強く強く匂ってくる。
その人の体の中にある季語だと評価する、直しはいらない、と夏井先生が絶賛でした。
手袋のまま割る箸の 乾いた音
お題「秋の東京駅」
手袋のまま割る箸の 乾いた音
てぶくろのまま わるはしの かわいたおと
添削なし
バイクに乗っているとき、手袋をはめたまま割り箸を割ると、「パン」といい音が鳴る、というのを詠んだ句だそうです。
久々にジュニアさんのバイクの句。
夏井先生は、七味の写真から、割り箸を割る音にもってきた「実感」と「観察力」を大絶賛。
季語を主役に押し出す配慮がある、と直しなし。
みごと1ランク昇格で、ジュニアさんは名人8段となりました。
夜半の秋 次子に授乳の妻ZZZ
金秋戦決勝9位
お題「バッテリー切れ間近」
夜半の秋 次子に授乳の妻ZZZ
よわのあき じしにじゅにゅうのつま ずずず
添削後:
次子に乳 あきの夜半なる妻ZZZ
ジュニアさんは、2人目のお子さんがいるのだそうです。奥さんが夜中に起きてソファで次男に授乳しているが、疲れて奥さんも寝てしまっているのが充電が切れている感じだ、とZZZと表現して詠んだ句です。
夏井先生は、「次子」で2人目の子だとわかり、なおさら育児の疲れがわかる、ZZZも良い、もったいないのは「夜半の秋」という季語と解説。
見えない時候の季語「夜半の秋」を、妻を通して見える句として添削されました。
公園の漫才師黙 秋夕焼
お題「秋の夕日」
公園の漫才師黙 秋夕焼
こうえんの まんざいしもだ あきゆやけく
添削後:
漫才師の黙 公園の秋夕焼
若手のころ、公園で漫才のネタ合わせをしていた。うまくいかなくて黙り込んでいると、夕焼けが。
今もあちこちの公園で若手が漫才を練習しているのをみるが、黙り込んでいる漫才師の情景を詠んだ句。
夏井先生は、語順の問題、と、公園と秋夕焼を離さずに漫才師のシルエットが秋の夕焼けに印象的に残る句に添削されました。
蜩に 金属バット 協奏曲
お題「打ち揚げ花火」
蜩に 金属バット 協奏曲
ひぐらしに きんぞくばっと きょうそうきょく
添削後:
蜩や 金属バットの 音かすか
実家の近くに高校があって、ひぐらしが鳴いてる中、金属バットの音が聞こえてきて夏の大会が終わったばかりで1年先に向けて練習しているのだなぁ、と詠んだ句だそうです。
夏井先生は、「や」で蜩を強調して、金属バットの音を遠近感を感じられるように添削されました。
手花火の火に 手花火と手花火を
お題「打ち揚げ花火」
手花火の火に 手花火と手花火を
てはなびのひに てはなびとてはなびを
添削なし
初めて家族3人で花火をやった。ジュニアさんが火をつけた花火に奥さんが火をつけ、初めて花火をする息子さんがその花火に火をつけ、というのを詠んだ句だそうです。
この句の評価のポイントは、助詞「の」「に」「と」「を」の是非。
査定の結果は、1ランク昇格。
ジュニアさんは、6回連続の昇格で名人7段に!おめでとうございます。
助詞にこだわってやってきた方ですがこの句の場合は助詞の効果を完璧にやっている。
3つ目の花火が出てくると家族かなという読みを引っ張り出せる。
「を」と書くことで「を近づける」という風に読めると大絶賛でした。
白シャツは何より白く 退院す
炎帝戦 第10位
お題「Tシャツ」
白シャツは何より白く 退院す
しろしゃつはなによりしろく たいいんす
添削後:
白シャツの全き白や 退院す
白シャツの白はこの白 退院す
20歳の時に、急性肝炎で死にかけた。黄疸がすごくて黄疸はシャツにもつくのだ、と語るジュニアさん。
病室の壁もカーテンも白い、何より白いシャツをきて退院するぞ、という実体験を詠んだ句だそうです。
夏井先生は、季語の「白シャツ」のはつらつたる印象から、「退院」という場面に飛ぶという発想は非常に良い。
また実体験が貴重になっている手ごたえもあると高評価。
ただ「何より」が少しつかみにくいので、と添削されました。
ゆるキャラの 汗の臭いとファンの音
お題「携帯扇風機」
ゆるキャラの 汗の臭いとファンの音
ゆるきゃらの あせのにおいとふぁんのおと
添削なし
兼題写真からゆるキャラに発想を飛ばすのを褒めないといけないと夏井先生。
汗という季語でイメージの対比がでてくる。
ゆるキャラの現実の、臭いという嗅覚と音という聴覚で現実を描く。音が扇風機だとわかったときに過酷な現場が出てくる。
直しなしで、この句でジュニアさんは、1ランク昇格で名人6段に!
ジュニアさん、おめでとうございます。
とぅるとぅるの 求肥に透けている苺
お題「ケーキ」
とぅるとぅるの 求肥に透けている苺
とぅるとぅるの ぎゅうひにすけているいちご
添削なし
奥さんが買ってきた苺大福。
苺が出てくるくらい求肥が「とぅる!とぅる!」だったのが夏を感じるなぁという句、とジュニアさん。
この句でジュニアさんは、1ランク昇格し名人5段になりました。
地道に真面目に観察していると、夏井先生の評価。
オノマトペの謎の言葉から入り、「求肥」という物が出てきて、読者はあの感触が「とぅるとぅる」なのだと受け止める。
次に「透けている」ものにずーっと映像が絞られていき最後に「苺」という季語がゆっくり出てくる。
夏井先生は、俳句は観察して言葉に変換するのが難しいが、それを地道にやっている、オノマトペの自分なりの工夫や語順、丁寧に描写している、とジュニアさんを絶賛されました。
サザエさんに 後出しあいこ 吾子の春
春光戦決勝第2位
お題「じゃんけん」
サザエさんに 後出しあいこ 吾子の春
さざえさんに あとだしあいこ あこのはる
添削なし
春光戦決勝2位の発表で優勝したかのように大喜びのジュニアさん。
ジュニアさんの3歳のお子さんは、まだじゃんけんの概念がわかっていないから、サザエさんのじゃんけんに後出しで同じものを出すのだそうです。
リズムがよくなるように「あ」の韻を踏んで詠んだという句。
サザエさんとじゃんけんしているのは日曜日の夕方。
助詞の「に」は意味の上で必要。吾子の後は、「や」で切ると親バカのようになってしまうため、「の」と穏やかに置くのが良いとのことです。
直しなし!で文句なしの2位でした。
銭湯の脱衣所 小銭無き春よ
お題「ドライヤー」
銭湯の脱衣所 小銭無き春よ
せんとうのだついじょ こぜになきはるよ
添削なし
銭湯にいってドライヤー20円を使おうと思ったら、小銭がない。春だからいいか!という句と、ジュニアさん。
この句の査定の結果は「1ランク昇格」
ジュニアさん、名人4段に昇格されました。
本当によく勉強している、という夏井先生のコメント。これはいい句でしたね、と夏井先生。
銭湯の脱衣所で、情景、場所、人物まででてくる。
カットが切り替わって、小銭のアップ。小銭がない、という状況。
最後の着地が難しいが、「よ」は詠嘆の気持ちと呼びかけるような言葉。
「よ」でちゃんと的確な助詞を選んでいる、ご立派!と大絶賛でした。
自画像に手鏡も描く 春隣
お題「鏡」
自画像に手鏡も描く 春隣
じがぞうに てかがみもかく はるどなり
添削後:
手鏡も描く自画像 春隣
(修正ではなく表現の問題)
中1の3学期「手鏡持ってきなさい」といわれ自画像を描く課題があった。その時に手鏡も描いたら、「こんな生徒、今までではじめてだ!」と唯一中学時代に褒められた思い出だというジュニアさん。
査定の結果は「1ランク昇格!」名人3段です。
夏井先生は、助詞とマジメに向き合っている、と高評価。
「も」はうっかり使うと散文的になる助詞だが、手鏡に自分を映して描いたというところが言いたいところ。
「も」を入れるのは表現したいことと会話してやっぱりいると入れている。
表現の問題で、語順を変えた例も示されました。
冬の月 輪ゴムの中に入れてみる
お題「輪ゴム」
冬の月 輪ゴムの中に入れてみる
ふゆのつき わごむのなかにいれてみる
添削後:
冬月を捕う 輪ゴムの輪の中に
兼題写真を見て迷って、家で輪ゴムを置いてどうしようかと思っていた時に、月を輪ゴムの中にいれてそのまま詠んだという千原さん。
シンプルな単純な発想は悪くない、と夏井先生。
ただし描写が雑とのことで、輪ゴムのゆらゆらとする感じを出してみるように、添削されました。
こうすると短い時間と映像が表現できるので、上位に入れたそうです。
痙攣の吾子の吐物に 林檎の香
お題「7時過ぎの時計」
痙攣の吾子の吐物に 林檎の香
けいれんのあこのとぶつに りんごのか
添削なし
子どもが熱性痙攣になって、時間が止まって頭が真っ白になった。どうしようと思ったその時、吐いて林檎の香で現実に戻ったという句、だそうです。
夏井先生は、「痙攣の吾子」で状況と自分の子どもであることが全部わかる。
吐物がでてきて、林檎の香に驚いてしまった。食欲のない子にすりおろしたのか、大好きな林檎なら食べれるかと親の思いの切なさが出てくる。
夏井先生は、林檎の季語、美味しそうには見えないが、「美味しく」が基本ではあるが、この句の場合は無季だと思っていただいても結構と断言。
リアリティの前に、この人がまっとうな親であることを示す句を評価しました。
ジュニアさん、初優勝おめでとうございます!
鍵盤図 弾く兄の背や 秋の暮
金秋戦予選Aブロック2位
お題「ピアノ」
鍵盤図 弾く兄の背や 秋の暮
けんばんず ひくあにのせや あきのくれ
添削後:
鍵盤図 弾く兄の背に 秋の暮れ
小さい頃、家に帰ってくると、お兄さんのせいじさんが音楽の教科書の裏表紙の鍵盤図を弾いていた。それを見て切なくなった時の句。
夏井先生は、リアルにして健気な感じ。切なさ、寂しさと季語がつながってくると解説。
「や」で詠嘆したかったというジュニアさんでしたが、「や」を使わず「に」にしたほうが良かったという夏井先生の添削は、梅沢さんが指摘したとおりでした。
試し書きに 密と書かれし 秋の色
お題「文房具」
試し書きに 密と書かれし 秋の色
ためしがきに みつとかかれし あきのいろ
添削後:
試し書きに密と文具店の秋よ
ボールペン売り場の試し書きの紙に、ぐじゅぐじゅと書いてある中に「密です」と文字を書かれているのを思い出して詠んだ句。
夏井先生は、「試し書き」は経済効率が良い言葉。
「試し書き」でペン先が見えてくる。「密」で今年も見えてくる。「書かれし」はいらない。
また季語「秋の色」は秋の風景、もともとは黄金色の棚田や紅葉に染まる山の色を愛でる季語。
だから文具店から屋外に行ってしまった感じになるので、季語では「秋よ」くらいがいいと、添削されました。
秋の朝 卵にゆでと 書かれけり
お題「たまご」
秋の朝 卵にゆでと 書かれけり
あきのあさ たまごにゆでと かかれけり
添削後:
朝や秋 卵にゆでと書かれけり
若い時に女の子が家にきて料理を作ってくれて、残った卵をゆで卵にしておいてくれてたのを思い出した、というジュニアさん。
こういう句をジュニアが詠むようになったんですね、と梅沢さん。
ジュニアさんはこの句で、1ランク昇格! 名人2段に昇格です。
ジュニアさん、おめでとうございます。
どうでもいいことを俳句にした、と夏井先生のコメント。
どうでもいいことが種になると気づいたところから、俳句が面白くなってくる。
「けり」の詠嘆の助動詞は、書かれているという状態は前からあるんだけど、今、自分が気づいたという意味になり、この句にはまっているのだそうです。
ただ「秋の朝」の比重が少し弱いので、添削のようにしていたら2ランク昇格したい句になる、と夏井先生。
消しゴムに彫刻刀の彫る花火
お題「ポイントカード」
消しゴムに彫刻刀の彫る花火
けしごむに ちょうこくとうの ほるはなび
添削なし
プレバトのことを詠んだ句はないので、プレバトの消しゴムハンコを俳句で詠むのをやってみたとジュニアさん。
消しゴムハンコと、中止になっている花火大会を詠んだ。
彫られる花火が季語としては弱いのでは?と村上さんや東国原さんの指摘。
夏井先生も、さらに彫刻刀とあれば彫るはいらないが、意図的だと思うと解説。
作者のやろうとしていることはやれているので、直しはなしでした。
亡き猫に病院からの夏見舞
炎帝戦予選Aブロック1位
お題「封筒」
亡き猫に 病院からの 夏見舞
なきねこに びょういんからの なつみまい
添削なし
若い時に猫を飼っていて、残念ながらその猫が無くなったあと、病院はそれを知らないために猫の宛名で夏見舞いが届いた時の、それを見たときのなんともいえない気持ちを詠んだ、とジュニアさん。
亡くなったペットに何か届くという発想の句はないわけではないと夏井先生。
ただ「病院からの」という中七から、猫・飼い主・病院の先生、スタッフとの交流が見えてくる。助詞の選び方も良い。
最後に「夏見舞」という季語がでてきた瞬間に「お元気ですか?」という文面、涼やかな絵柄、色合いがでてくる。涼やかさをもって亡き猫を飼い主が偲んでいるというのが出てくる。
これはそつがない!と絶賛でした。
裸子や インターフォンに踊り出す
お題「デリバリー」
裸子や インターフォンに踊り出す
はだかごや いんたーふぉんに おどりだす
添削後:
インターフォンに 裸子踊り出す玄関
ピザ届く 裸子踊り出す玄関
ママ戻る 裸子踊り出す玄関
このところ、(コロナのステイホーム期間で)ジュニアさんがずっと家にいるので、2歳の子どもがなんかおかしいなと感じている。そして、インターフォンがなるとテンションが上がって踊りだすという句。
情報不足、ささやかな欲求不満だと夏井先生。兼題写真を見ているから何か届いたとわかる。
裸子を生き生きとさせ動きが見えるように添削されました。
ボクサーの 決意の引っ越し 夏隣
お題「不動産屋さん」
ボクサーの 決意の引っ越し 夏隣
ぼくさーのけついのひっこし なつどなり
添削後:
ボクサーの決意 夏隣の引っ越し
夏の気配を感じ始める春の終わりを意味する「夏隣」が季語。
試合が決まり、ふだんより家賃が高いとこに引っ越して絶対勝つ!と意気込むボクサーを何人か知っているのだ、とジュニアさん。
中八がもったいないと夏井先生。削れる言葉はないが中八を緩和するごまかし方として、切れをいれて句またがりにする方法を示しました。口に出して読んだときリズムが変わります。
また句の最後は「夏隣」だと映像が少ない印象。「夏隣の引っ越し」にすることで引っ越しの慌ただしさが映像として残るので得することが増えるのだそうです。
顔面骨折カニューレの接ぐ春の朝
お題「絆創膏」春光戦予選B 1位
顔面骨折 カニューレの接ぐ春の朝
がんめんこっせつ かにゅーれのつぐ はるのあさ
20年くらい前にバイク事故で死にかけた。気管を切開してカニューレで呼吸している。生かされて目が覚めると春だった。というジュニアさんの実体験を詠んだ句。
夏井先生は、字余りにも迫力があり状況が痛々しくわかる。カニューレで「接ぐ」とたんたんと言い切ったところがいい。「春の朝」は再生への希望になる。
「こんな痛い目にあうといい句ができるんだ!」と夏井先生は絶賛。
見事1位通過で決勝に進出です。
風邪の孫 祖母の御飯を平らげる
お題「お鍋」
風邪の孫 祖母の御飯を平らげる
かぜのまご そぼのごはんをたいらげる
添削後:
祖母の飯平らげ風邪の子の朝(あした)
ご自分の実体験を詠んだという千原さん。祖母があれば孫と書かずに子と書けば良い、と夏井先生。
パティシエに 告げる吾子の名 冬うらら
お題「秋のスイーツバイキング」
パティシエに 告げる吾子の名 冬うらら
ぱてぃしえに つげるあこのな ふゆうらら
添削なし
12月がお誕生日のお子さんの誕生日ケーキを注文に行った冬のとても晴れた日の様子を詠んだ句。
夏井先生の査定は「溢れんばかりの子どもへの愛情」が伝わってくる句と大絶賛で「1ランク昇格!」
この句でジュニアさんはついに「名人初段」に昇格しました。
長き夜のジャーの隣に立つ杓文字
お題「冷蔵庫」
長き夜のジャーの隣に立つ杓文字
ながきよの じゃーのとなりに たつしゃもじ
添削なし
梅沢さんの言葉をお借りすると「ナナハンから村上流(10㎝15㎝50㎝の範囲で俳句を詠める)に」変わったというジュニアさん。
夏井先生は、飄々としたおかしみがある句だとのこと。
「長き夜」の後の助詞の選び方が良く、「や:長き夜を強調」「を:擬人化に寄る」「に:散文的になる」ではなく、「の」としたことで映像をゆっくり狭めていき杓文字が出てくる、これはコツコツ勉強しないとできないことだと大絶賛でした。
台風やぐぅわんぐわぅんと信号機
お題「歩行者信号」
台風やぐぅわんぐわぅんと信号機
たいふうや ぐぅわんぐぅわんと しんごうき
添削なし
今年の台風被害の足跡としてこのような句が生まれる、オノマトペだけを信じて1句作った句と夏井先生が解説。
オノマトペは、リアリティーとオリジナリティーが両方ないと成立しないと夏井先生。
この句は、音と一緒に動き、映像も詠み手に見せてくれると絶賛しました。
撮り鉄の汗拭いけり103系
お題「夏空と電車」
撮り鉄の汗拭いけり103系
とりてつの あせぬぐいけり ひゃくさんけい
ナナハンや車など乗り物系俳句が得意な千原さんは、電車の型番103系まで俳句にしてしまいました。
電車の写真を撮る「撮り鉄」さんの必死さが伝わってくる俳句です。
破れ傘 雨後の雫を 垂らしけり
お題「夏の波紋」
破れ傘 雨後の雫を 垂らしけり
やぶれがさ うごのしずくを たらしけり
添削後:
破れ傘 雨後の雫の しとどなり
破れ傘という季語が、植物の名前だと知って驚きましたが、放送の写真をみてびっくり。本当に破れた傘そのものの植物でした。
破れ傘という季語を知っていただけでなく、季語そのものの描写だけで句を詠む「一物仕立て」という高度な俳句だそうです。
同じく炎帝戦の予選の句はこちら。
渋滞や 花火の映る ボンネット
お題「打ち上げ花火」
渋滞や 花火の映る ボンネット
じゅうたいや はなびのうつる ぼんねっと
添削なし
車のボンネットに映った花火を詠んだ句。
ピカピカに磨かれた車のボンネットには、花火も映るのだろうなぁと想像できます。
家族とお出かけしている千原さんも連想させてくれる句でした。
甥っ子と おいっ子と子と 夕虹と
akatuki6699さんによる写真ACからの写真
お題「梅雨の晴れ間の水たまり」
甥っ子と おいっ子と子と 夕虹と
おいっこと おいっこと こと ゆうにじと
添削なし
お兄さんのお子さんを「甥っ子」、妹さんのお子さんを「おいっこ」、ご自分のお子さんを「こ」と表わし「と」で韻を踏んでいるのが成功しているという夏井先生の評価。
なんだかとても楽しくて温かい句です。仲の良い千原さん一族(?)の様子が見えてくるようですね。
すり傷を 蛇口の流す 夏の空
お題「学校の蛇口」
すり傷を 蛇口の流す 夏の空
すりきずを じゃぐちのながす なつのそら
添削後:
すり傷の砂を蛇口に流す夏
千原さんの句が学校の蛇口ですり傷を洗った経験を思い出させてくれます。
ざらざらした砂を洗い流し、しみるけれど我慢している記憶。
暑い校庭や遠い記憶まで引き出してくれました。
子の利き手 左と知りて 風光る
お題「大型連休の電車」
子の利き手 左と知りて 風光る
このききて ひだりとしりて かぜひかる
添削なし
子どもの利き手が左手だとわかる瞬間を切り取る千原さんの句に、夏井先生が絶賛していました。
子育ては日々発見、親としての千原さんの優しいまなざしを感じさせてくれる句です。
壺焼きの 壺傾きて ジュッと鳴る
お題「春の鮮魚店」
壺焼きの 壺傾きて ジュッと鳴る
つぼやきの つぼかたむきて じゅっとなる
添削なし
たくさんの魚が並んだ鮮魚店の様子から、千原さんが選んだ季語は「壺焼き」でした。
美味しそうな醤油の焼ける香りがただよってくる、思わず唾が湧いてくる句。
この句も映像化されていましたが、その映像通りの光景が詠み手の頭に浮かんでくるなと思いました。
ふらここを待つ我が子見つ飲むコーヒー
お題「コーヒー」
ふらここを待つ我が子見つ飲むコーヒー
ふらここを まつわがこみつ のむこーひー
添削後:
ふらここを待つ子を見つつ飲むコーヒー
子煩悩なお父さんとしての千原さんの優しさがにじみ出ている句です。
子どもを見守りながら飲むコーヒーは格別でしょうね。
千原ジュニアさんの俳句のまとめ
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このサイトをジュニアさんが観てくださると嬉しいな!と思います。
2019年4月までの句を掲載しましたが、この句も載せてというご希望があれば、どうぞコメントでお寄せください。
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