本紹介

「本好きの下剋上」の各部編ごとに学べる5つのスキルとは?

「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~」は、司書になるはずだった本好きの現代日本の成人女性が、中世ヨーロッパ風異世界に幼女として転生して、本を求めて突き進むハイファンタジー

「このライトノベルがすごい」の単行本・ノベルズ部門2018年版2019年版第1位、2020年版・2021年版で同部門第2位を獲得しています。

そのストーリーもすべての登場人物も魅力的で、読者は一度読み始めたら、主人公のマインさながらに本を置くのが難しいのですが。。。

第1部から第5部から成る「本好きの下剋上」では、ストーリーだけではなく、読者は本編の端々に埋め込まれた著者の(おそらくは膨大な読書の賜物である)知識から、多くのスキルが学べるのも特徴です。

部編ごとに異なるスキルは、主人公の立場が変わるにつれて、主人公やそれを取り巻く人物たちの行動から伝わってくるもので、自分の知らなかった次のようなスキルが知らず知らずに学べているのです。

第1部 発明家・商人としてのスキル

第2部 経営者としてのスキル

第3部 教育者としてのスキル

第4部 政治家としてのスキル

第5部 策略家としてのスキル

Amazonの Kindle Unlimitedに、第1巻から第5巻までが入っているので、今なら30日間無料体験で5巻までが0円で読めます。

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以降、ネタバレがありますので、ご注意ください。

第1部「兵士の娘」で学ぶ、ノウハウをお金に変えるスキル

紙作り

主人公は、現代日本の成人女性の記憶を持ったまま、「本が読みたい」という一念で異世界に生まれ変わります。

生まれ変わった世界は中世ヨーロッパ風のエーレンファストという街の下町。

兵士の娘マインとして、極端に虚弱な体の幼女に生まれ変わった主人公は、自分の生活環境をより良くするために、現代の知識を使って新たな商品を発明(実現)していきます。

それはリンスインシャンプーや、お料理方法。糸を編んで作る立体的な髪飾りなど。

さらには「本が読みたい」ばかりに本のない社会の中で、本を作るためにまずは紙から作ることを思い立ちます。

貴族と平民との身分社会の中で、大店(おおだな)の商人ベンノとの出会いによって、平民マインは、知的財産権に相当するアイデアやノウハウを交渉して「売る」ということを覚えていきます。

第1部では、マインが商人の考え方を覚えていく過程で、モノではなく知識を売るということを、私たちは学ぶことができるのです。

マインちゃんの「本が読みたいから、ないなら作る!」というパワーに圧倒されます。

第2部「神殿の巫女見習い」で学ぶ、人を使うためのスキル

本棚

本がない、と思っていたマインが洗礼式の神殿で見つけた図書室。

本が読みたいばかりに神殿の巫女見習いとなったマイン。

神殿は貴族である青色神官(巫女)と、孤児である灰色神官(巫女)という圧倒的な身分社会。

豊富な魔力を買われ平民でありながら青色巫女の見習いとして神殿に入ったマインは、主従の「主」の立場で灰色神官たちを使う立場に立たされます。

町の平民の常識が通用しない神殿で、自分を見下す灰色神官や巫女見習いと心を通じ「主従」の信頼関係を築いていくマインを通して、私たちは人を使うためのスキルを学ぶことができます。

また、神の恵みを与えてもらうのを待つだけだった孤児たちに仕事を与え、「働かざる者食うべからず」という教えを通して、自分たちで働いて生活を築いていくという自信、自己肯定感を身に着けさせる過程を疑似体験することができます。

「本を集中して読むために」気がかりだった飢えた孤児たちの生活を立て直す、というマインちゃんに脱帽です。

第3部「領主の養女」で学ぶ、人に学ばせるためのスキル

競争相手

圧倒的な魔力と事業力を活かすために領主の養女とされたローゼマイン(マインから改名)は、近隣の街の孤児を引き取り孤児院をつくって教育します。

また、冬に領地から貴族街に戻ってきた貴族たちの子ども達を集めた子ども部屋では、遊びを通した教育で、子ども達の学力を向上させます。

その時ローゼマインが使う教育方法は「集団の力で伸ばす」という方法。

良いライバル関係となる競争相手がいることで、学ぶ力が伸びるということをローゼマインは知っているのですね。

子供の集中力は続かないものだから、一つの教科は飽き始めたら違う教科にする。毎日少しずつ、確実にやらせる。小さな課題をたくさん作って、できた分だけを夕食の席で領主夫妻に報告して褒め言葉をもらうなどの教育の基本

これは、彼女が現代日本の読書によって身に着けていた知識によるものなのだろうと感じます。

「本を増やす」には本を読む人を増やし、本を作る人を増やすのだ、というローゼマインの強い決意が健気です。

第4部「貴族院の自称図書委員」で学ぶ、駆け引きするスキル

貴族の子どもは10歳からの5年間、1年のうちの冬の時期を国の中央にある貴族院という全寮制の機関に集まり教育を受けます。

貴族院では、領地の大人たちが行う政治的な駆け引きや情報戦を、領主候補生の子どもを中心とした各領地の子ども達も社交を通して行います。

そこでは、領地、立場、身分というさまざまなファクターが複雑に絡み合った貴族院という小社会。

立場による行動・気質・ふるまい方の違い
領主候補生、文官見習い、騎士見習い、側仕え見習い

魔力量による身分制度の中の立ち位置
王族、上級貴族、中級貴族、下級貴族

領地の力関係や領民の気質による駆け引き
大領地、中領地、小領地

領地に有用な情報を持ち帰ろうと奮闘する子ども達が描かれます。

さらに

部活動的な「ディッター」
委員会活動的な「貴族院の図書館」
文化祭・体育祭的な「領地対抗戦」

15歳で成人し、政略結婚が当たり前の社会で、自分の立場から将来の相手を見繕う貴族院の子ども達の生き方を通して、私たちは政治的な駆け引きというものを学べます。

「図書館で図書委員のお仕事をしたり本を読みたい」という目的のために領地までも巻き込むローゼマインはすごいです。

第5部「女神の化身」で学ぶ、国を超え人知を超えて愛するもののために策を練るスキル


ローゼマインが大切にしているものは圧倒的に「本」なのですが、もう一つ自分より大切にしているのは「家族」です。

家族を守るためになら、ローゼマインはすべてのものを投げ打って立ち向かいます。

国を挙げて、さらには人間をも超えて神の世界にまで立ち入って、「家族」を守るためにローゼマインは突き進みます。

私たちが第5部で、大切なものを守るために策略を練ることを学べるのは、ローゼマインからではなくもう一人の「本好きの下剋上」の最重要人物から。

貴族社会の家族や肉親との希薄な関係から、ローゼマインのまっすぐで直接的な家族愛の示し方に感化された「あの人」です。

それは読んでからのお楽しみ!

「こうなったらいいなぁ」という読者の期待の、何倍も上を行くスケールとストーリーに寝不足必須の「本好きの下剋上」でした。

「本好きの下剋上」の各部編ごとに学べる5つのスキルのまとめ

漫画、アニメ、ジュニア文庫、オーディオブックなど、様々なメディアミックス化されている「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~」

評論家の方にも「人類にとって書物とは何だったのか」を改めて気づかせてくれた」と評価されるなど、ライトノベルといえども深い世界観が魅力で、読めば読むほど、深いなぁと考えさせられるばかりです。

マインちゃんの下剋上を通して、自分の知らなかった世界からたくさんのスキルが知らず知らずに学べてしまう体験を、どうぞお楽しみくださいね。

楽しいだけでなく、こんなスキルも学べる!

第1部 発明家・商人としてのスキル

第2部 経営者としてのスキル

第3部 教育者としてのスキル

第4部 政治家としてのスキル

第5部 策略家としてのスキル

⇒ 「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~」を見てみる

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