プレバト俳句

【プレバト俳句一覧】ミッツ・マングローブさんの好きな俳句に「いいね!」しよう

1杯のコーヒー

プレバト!!では、2019年春の「春光戦」夏の「炎帝戦」と続けて予選敗退しながらも、先生がどうしても世に紹介したいという決勝用の幻の名句を生み出し影のタイトルホルダーと呼ばれていた、ミッツ・マングローブさん。

ついに2020年9月に名人に昇格されました。

ミッツさんの句には、独特の妖艶な雰囲気が漂ったり、濃密な時間が詠み込まれるという特徴があるように感じます。

ミッツさんの2019年4月からのプレバト俳句を、鑑賞して応援しましょう!

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ミッツ・マングローブさんの最近の俳句一覧

マニキュアの深き 雨冷の霊園

20211104
お題「富士と紅葉」

マニキュアの深き 雨冷の霊園
まにきゅあのふかき あまびえのれいえん

添削後:
マニキュア深し 雨冷の霊園
マニキュアや 雨冷深き霊園に

いいね!(3)

「深き」が「雨冷」にかかるのか「マニキュア」にかかるのかがわかりにくかったと夏井先生。

「に」をつけて詠むと、マニキュアをした人が霊園にたたずんでいる様子となる、と添削されました。

爽籟を追う 老眼鏡の上目

20210916
金秋戦 予選Cブロック3位
お題「読書の秋」

爽籟を追う 老眼鏡の上目
そうらいをおう ろうがんきょうのうわめ

添削後:
老眼鏡 上目遣いに追う爽籟

いいね!(6)

老眼鏡を使っていて集中して読んでいるときに、秋風の音がしてふっと目を上げる様子を詠んだ句。

「爽籟」という季語は秋風の吹く爽やかな響きのこと。 

夏井先生が一番褒めないといけないのは「追う」という動詞だそうです。

1位になるなら、風の行方を追っていくとよいという添削例を示されました。

白靴の老女冷ゆ 生鮮売場

20210722
炎帝戦 第5位
お題「Tシャツ」

白靴の老女冷ゆ 生鮮売場
しろぐつのろうじょ ひゆ せいせんうりば

添削なし

いいね!(20)

Tシャツの写真から、老女の白い靴に発想を飛ばした一句。

ミッツさん自身が寒がり。スーパーに行ったときに薄着のおばあちゃんが寒いわ、寒いわといいながら野菜を選んでいた、という光景を詠んだというミッツさん。

びっくりする句。良い工夫が凝らされていると夏井先生。

白靴は夏のおしゃれをするためのものとして季語になっている。それがいきなり「老女冷ゆ」

一句のリアリティーがすごくある。老女がおしゃれをして出かけていくところがスーパーである、という現実が出てくる。

スーパーに行くとお友達に出会える、だからおしゃれをしていく、という老女の現実が詠まれていると大絶賛でした。

短夜や ロングアイランドアイスティ

20210527
お題「コーラ」

短夜や ロングアイランドアイスティ
みじかよや ろんぐあいらんどあいすてぃ

添削なし

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ロングアイランドアイスティは、カクテルの名前。飲みやすいのでめちゃくちゃ酔う強いお酒だそうです。

ロングアイランドアイスティを飲みながら、夜は長いぞと思いつつ、すぐに朝が来てしまうという句。

長いカナカナ語を取り合わせた是非が評価のポイント、と夏井先生。

ミッツさんはこの句で1ランク昇格で名人2段に。

季語とカクテルの名前だけでズルいが、取り合わせるところに表現行為がある、と夏井先生。

「短」と「ロング」の対比や、アイスティとあるがとんでもなく強い酒、と夏井先生。

人や音楽や出会い、恋、別れなどが浮かんできて消えて、浮かんできて消えてと、それをたくらめるところが名人の力だと大絶賛でした。

当直のナース息吐く夜半の春

20210225
春光戦予選Dブロック第3位
お題「きのこの山」と「たけのこの里」

当直のナース息吐く夜半の春
とうちょくの なーすいきつく よわのはる

添削後:
当直のナース 春夜の息深く

いいね!(10)

夜勤でお仕事をされている看護師さんたちが休憩の時に何かつまんで、緊張感から解放されてかしましい感じでひと息をついて憩っているという句。

「当直」という言葉は経済効率が良い。夜が絶対いるのかどうか。

「吐く」は「はく」と読む人の割合が多い。そうするとナースの感情が大きく違う。

「夜半の春」は「春の夜」の傍題。「夜半の春」にすると情緒的で艶やかな甘い吐息になる。

「春夜」を使ってミッツさんが書きたかったことにぐっと寄った俳句に添削されました。

飴貰うごと 狭霧に手広げし子

20201105 
金秋戦予選Dブロック3位
お題「ポンプのノズル」

飴貰うごと 狭霧に手広げし子
あめもらうごと さぎりにてひろげしこ

添削後:
飴貰うごと 狭霧に両手広ぐる子

いいね!(6)

甥っ子と一緒に出掛けたとき、消毒スプレーをかけようとバックから出すと、なんの迷いもなくすっと手が出る甥っ子。その手がまるで飴をもらう手のようだという句でした。

夏井先生は、発想はなるほどなとおもう。つかめない霧をつかもうとする子を「飴をもらうよう」とするのはさすがと褒めました。

比喩のあと、後半の光景を理解するのに読者には時間が欲しい。上五で字余りで先に言ってしまうと季語がゆっくりと見えてくると添削しました。

調べをどうやって内容に寄り添わせていくか、がこの句の勝負どころだったと解説。

生ゴミ縛り 秋涼の 勝手口

20200917
お題「たまご」

生ゴミ縛り 秋涼の 勝手口
なまごみしばり しゅうりょうの かってぐち

添削なし

いいね!(12)

実家の母を思い浮かべ詠んだ一句。

生ごみを捨てに出ると涼しい風が。季節が変わったことを感じた一句だそうです。

ミッツさんは、この句で1ランク昇格!名人初段です。おめでとうございます。

発想に技術がついてきた、と夏井先生。

七、五、五のリズムの句です。

「生ごみ」で状況、「縛り」で動作、人物、「秋涼」のあとの一拍で秋を感じたに違いない、内容を引き立てる。

ミッツさんがここまで来てくれた、ホッとしました。と夏井先生のコメントでした。

2020年7月の俳句

20200730
炎帝戦予選Cブロック3位
お題「アイスクリーム売り場」

溶け出すバニラ 職蟻たちのフェロモン
とけだすばにら しょくぎたちのふぇろもん

添削後:
落ちたバニラ 働きアリのフェロモン

いいね!(8)

公園とかで子どもがアイスを食べていると、すぐにボテッと落としてしまうようなことがある。甘いにおいとそこにたかってくる蟻のフェロモンが一つの流れにつながるという句。

この句のやろうとしていることはなかなか面白い、相変わらず発想力には感心する、と夏井先生。

ミッツさんの発想に感心している夏井先生は、「私は一表現者としてあなたのファン!」とお墨付き。

2020年2月の俳句

20200227
春光戦予選Aブロック7位
お題「カップラーメン」

熱湯3分 化粧拭き取る夜半の春
ねっとうさんぷん けしょうふきとる よわのはる

添削後:
カップ麺3分 春夜の化粧 拭い取る

いいね!(6)

飲んで帰ってきた夜、小腹がすいてカップ麺を作っている3分間で化粧を拭き取る、という句。

夏井先生は、兼題写真がないと湧いている熱湯で化粧を拭き取るという句に詠めてしまう、と指摘。

カップ麺と書いたほうが良いと添削されました。

20200213 名人特待生査定SP
お題「観覧車」

下萌に錆びし観覧車の威容
したもえに さびしかんらんしゃのいよう

添削後:
下萌や 錆びし観覧車の威容

いいね!(8)

枯葉に隠れるように 新芽が下から見えている。その上には観覧車の威容がそびえているという句。

句切れの「や」をつかって添削されました。俳句の「や」はビックリマークのようなもの。句の中の深い感動を表し、場面を切り替える効果がある。とのことでした。

2020年1月の俳句

20200116
お題「1月の浅草の着物」

抜き衿寒し 酔客のうしろ影
ぬきえりさむし すいきゃくの うしろかげ

添削なし

いいね!(19)

ホステスさんやママさんがお客様をお見送りするとき、抜き衿のうなじが寒そうだという句。

温度としての寒しも、酔っぱらった客の相手をする想いや疲れの寒しという意味もある。

夏井先生は句の臨場感を誉めて、ミッツさんはこの句で特待生1級に昇格!

いよいよ名人が見えてきたミッツさん!おめでとうございます。

2019年9月の俳句

20190926
お題「運動会」

秋声に 褪する石灰 最終種目
しゅうせいに あするせっかい さいしゅうしゅもく

添削なし

いいね!(36)

「言葉の経済効率が良い」という先生の評価。運動会としては味わいが大人だったといいます。

それというのも「秋声」は秋のしみじみとした物寂しさを表す季語だからです。

下五の「最終種目」で石灰はラインのことだったとわかり、意味が詠み手に流れ込んでくる。

「さすがミッツさん、しみじみと褒めたい」という夏井先生の評価でした。

この句でミッツさんは「1ランク昇格!」 特待生2級になりました。

おめでとうミッツさん

2019年7月の俳句

水滴の波紋
20190725 夏の炎帝戦 幻の傑作
お題「夏の波紋」

50のターン ひた蹴る裸の浮くを待つ
ごじゅうのたーん ひたけるはだの うくをまつ

添削後:
50のターンひた蹴る裸(はだか)浮くを待つ

いいね!(41)

夏井先生から(春に続き)「またアンタなの!」と驚かれるミッツさん。先生曰く決勝に残っていたら、今日は勝っていたという傑作だそうです。

「50のターン」で競泳の緊迫した様子を詠んだ一句。「ひた蹴る」という複合動詞も夏井先生が絶賛しました。浮くを待つというところでは、観客の見守る様子も伝わってくるように感じます。

最近、大河ドラマ「いだてん」の中で、1932年のロサンゼルスオリンピックと1936年のベルリンオリンピックで活躍する日本の水泳選手団が描かれましたが、ミッツさんの句を思い出し、その泳ぎや観客の気持ちが代弁されたような句だと感じていました。

花火大会
20190718 夏の炎帝戦 予選8位
お題「打ち上げ花火」

いたずらな背に 女王花の 爪の跡
いたずらなせに じょうおうばなの つめのあと

添削後:
女王花薫る背に爪跡をのこすかに

いいね!(17)

季語は「女王花」で「月下美人」のことだそうです。

打ち上げ花火の形を花に見立てた一句。

夜に咲く花である女王花の花びらが夜空を引っ掻いて背に爪の跡をたてるような悪い女風情を出してみたとミッツさん。

女王花が実態なのか比喩なのかがわかりにくいが、花火から月下美人への発想力は良いとの先生の評価。

夜に咲く花は香りが濃艶で強いのが特徴ですが、女王花もそのひとつ。

女王花を薫らせる、先生の添削でよりそれがわかりやすくなりました。

石川さゆりさんの歌のようだとミッツさん!

2019年4月の俳句

20190404 春光戦予選8位
お題「春の鮮魚店」

起き出でて 浅瀬へ店へ 乗込鯛
おきいでて あさせへ たなへ のっこみだい

添削後:
乗込鯛 跳ねて華やぐ 店先よ

いいね!(18)

春の鮮魚店の写真から、「乗込鯛(のっこみだい)」という季語を選んだミッツさん。

乗込鯛とは、冬眠から起きると浅瀬に出てくる鯛のことだそうです。

その鯛が勢いをもって鮮魚店まででてきたようだという句でしたが、中七が勢いを表現したかったのはわかるが強引、説明になってしまっているのが問題点。

先生には店の光景だけにするように添削されました。

ものの考え方、切り取り方はすごいものを持っていると、夏井先生はミッツさんをかっています。

1杯のコーヒー
20190404 春光戦 幻の傑作
お題「コーヒー」

沈黙の春尽く 角砂糖ひとつ
ちんもくのはるつく かくざとうひとつ

添削なし

いいね!(65)

夏井先生が、どうしても世に出したい名句として紹介したこの句。

季語「春尽く」は春の終わりを表します。

別れ話か、喫茶店の男女の重い沈黙を破ったのが、角砂糖ひとつ、かき混ぜるスプーンの音だったという、情景が見えてくるようです。

コーヒーとか喫茶店とかひとことも書いていないのに、これだけの情景を表せるのは驚きです。

決勝に出ていれば2位3位を争っていたという名句でした。

ミッツ・マングローブさんの俳句のまとめ

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このサイトをミッツさんが観てくださると嬉しいな!と思います。

2019年4月からの句を載せましたがこの句も載せてというご希望があれば、どうぞコメントでお寄せください。

できる限り掲載していきたいと思います。

よろしくお願いします。

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