春の俳句タイトル戦「春光戦」2021が始まりました。
今回は史上最高の20人の名人、特待生が参加する予選会はABCDの4組で競われます。
各ブロックの1位通過者4名と全ブロックの2位4名の中から上位3名の、計7名が決勝に進出できるルール。
2021年2月18日現在、以下の表のように永世名人1名、名人9名、特待生19名は合計29名。そのうち23人の実力者が競います。
今回のブロック組み分けは、浜田さんの神がかったくじ引きで厳正に抽選。
面白い顔合わせができましたよ!
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春光戦の決勝進出を決めているのは?
今回の春光戦では3名が決勝へのシード権を獲得しています。
シード権のある参加者は?
永世名人 梅沢富美男さん
名人6段 キスマイ横尾渉さん
名人3段 千原ジュニアさん
予選A・Bブロックの観覧ゲストにも、このお三方が見届け人として参加します。
春のタイトル戦予選のお題
名人、特待生の実力が試されるお題。
春光戦予選A・Bブロックへの夏井先生からのお題は「ウニの軍艦巻き」
シンプルな写真で季語としっかり向き合わないといけないお題のため、実力差が出てしまうそうですよ。
春光戦予選Aブロックの出場者は?
予選Aブロックで決勝進出確定の1位を競うみなさんは、名人10段がお二人、キスマイもお二人入ったこの5名の方々です。
名人10段 藤本敏史さん
自信がなさそうな藤本さん。吉本枠で1人は残らなくてはと気合いを入れています。
名人10段 村上健志さん
まるでプチ梅沢さんのように自信を見せる村上さんです。
名人2段 千賀健永さん
前回のタイトル戦の後にお母さんから怒られてしまったという千賀さんです。
特待生4級 馬場典子さん
大阪芸術大学の教授をしている馬場さん。プレバト俳句を教材に使っているそうです。
特待生4級 北山宏光さん
気を抜いていると寝首をかきますよ、と自信を見せる北山さんです。
Aブロックの見どころは、タイトル戦を制したことがある藤本さん、村上さんと、千賀さんのお三方がそろっているところ。
春光戦予選Bブロックの出場者は?
予選Bブロックで決勝進出確定の1位を競う出場者は、この5名の方々です。
名人5段 中田喜子さん
タイトル戦予選を毎回通過している中田さんは、喜怒哀楽マダムという異名をとっています。
特待生2級 皆藤愛子さん
幸せいっぱいの篠田さんには負けたくないという皆藤さん。梅沢さんにも応援されています。
特待生3級 篠田麻里子さん
歴代俳句ベスト5に句が入った皆藤さんに闘志を燃やす篠田さんです。
特待生4級 筒井真理子さん
今回のBブロックでは中田さんをライバル視しているという筒井さんです。
特待生5級 武田鉄矢さん
武田さんは、女性の中で際立つような句を狙って詠んだといいます。
Bブロックは、5人中4人が女性という華やかな顔ぶれ。
唯一の男性、武田鉄矢さんが抜きんでるか、中田さんが実力どおり決勝進出するかが見どころです。
まずは予選Aブロック!決勝進出を決めたのは?
放送での浜田さんの発表順に、順位と俳句をみていきましょう。
海苔篊の 等間隔に暮れかかる
フルポン 村上健志さん
海苔篊の 等間隔に暮れかかる
のりひびの とうかんかくにくれかかる
添削なし
海苔篊(のりひび)とは海苔の養殖に使われる資材。海に突き出している棒のような、あれです。
海苔篊が等間隔に暮れかかっている。「それだけのデッサン!」と村上さん。時折デッサンの俳句を詠むのだそうです。
「マジでいいですね」とジュニアさん。ただただ素直にデッサンしたところを絶賛します。
「えらそうに言ってる割りには普通だ」という梅沢さん。「それでは補欠も当然だ」と厳しいお言葉で、「村上らしい俳句を期待していた」といいます。
この句が村上さんの句だと知って、「村上さんの力なら、無難に置いてきた感がある」という夏井先生。
ご自分でも「無難に置いてきた」とカミングアウトする村上さんでした。
この句は海苔の養殖の広さも「暮れかかる」で時間経過も描けている。「海苔篊」という季語でデッサンしようとした配慮はよくわかると夏井先生。
村上さんの実力が出ているそうです。
一貫の海胆 縄文と令和を繋ぐ
特待生4級 馬場典子さん
一貫の海胆 縄文と令和を繋ぐ
いっかんのうに じょうもんとれいわをつなぐ
添削後:
海香る縄文の海胆 令和の海胆
馬場さんは、「ウニは美味しい」と知っていないと食べたいと思わない(見た目)。
いつから食べられ始めたのかと調べたら、縄文時代の貝塚からでてきて食べていたとわかったのでそれを詠んだそうです。
発想はダイナミックで魅力があった。調べた事実を書こうと、あがいたのがわかると夏井先生。
ただ「と」「を」「繋ぐ」が散文的だったことと、「一貫」でなくもっと大きく書いてほしかった、と添削されました。
花板に握らるる雲丹 淋漓たり
特待生4級
Kis-My-Ft2 北山宏光さん
花板に握らるる雲丹 淋漓たり
はないたににぎらるるうに りんりたり
添削後:
雲丹淋漓たり 花板のあざやかに
「淋漓」も「花板」も、この言葉を見つけたときに「やったー」と思ったという北山さん。自信があったのでとても残念そうです。
「花板」(板前の一番トップの方)に握られている海胆を、「淋漓」とは勢いが溢れ出るさまを表す語で表現した句。
雲丹に対して淋漓たりと言い切っている。粋な花板を持ってきているのがいい判断だと夏井先生。
雲丹を主役にするために「あざやかに」として読者に想像させる句に添削されました。こうしていたら1位だったそうです。
墨痕淋漓(ぼっこんりんり)という四字熟語でしか見たことがない言葉でした。
鈍色の漁船ふちどる 春北斗
名人2段
Kis-My-Ft2 千賀健永さん
鈍色の漁船ふちどる 春北斗
にびいろのぎょせんふちどる はるほくと
添削後:
鈍色の漁船よ 青き春北斗
雲丹を獲っている漁船と海を連想した、という千賀さん。漁船はさびていて鈍色の漁船を春北斗が縁取っているという句。
「鈍色の漁船と春北斗の取り合わせはいいと思う」と横尾さんのコメント。
美しい光景をかこうとしている詩人の心には共感を持った、と夏井先生。
印象もとても美しいが、「ふちどる」があいまい。その分で、春北斗の描写をすると1位を狙えた、惜しい!と先生。
春北斗を「青き」としたら色の対比になる上に、季語が主役に立つ。
今回の春光戦では、季語を主役に立てることができているか、工夫が機能しているかを評価のポイントにさせてもらった、という夏井先生でした。
流星群 いくつか海に墜ちて海胆
FUJIWARA 藤本敏史さん
流星群 いくつか海に墜ちて海胆
りゅうせいぐん いくつかうみにおちて うに
添削なし
海胆のへんな形や色。
宇宙からやってきた流れ星、流星群が海に墜ちたのが海胆になったのでは、と想像して詠んだ句だそうです。
藤本さんのこの句は、梅沢さんをうならせました。
「こんな難しいことをやろうと思ったな」と、夏井先生も感心しきり。
季重なりで、秋の季語「流星」と春の季語「海胆」をいれている、大胆さです。
物語のようなファンタジーを紡ぎながら海胆を主役にするということができている句でした。
つぎは予選Bブロック!決勝進出を決めたのは?
海苔一帖 等間隔に刻みて春
特待生4級 筒井真理子さん
海苔一帖 等間隔に刻みて春
のりいちじょう とうかんかくにきざみて はる
添削後:
海苔刻む 等間隔の音や 春
「海苔」と「春」と季重なりでも、あえて「春」といいきった筒井さん。
海苔を最後に等間隔に刻んだのを巻く。それを刻みて春ととめて強調したつもりだったそうです。
梅沢さんは、季語を2つ使わなくて良かったのでは、とコメント。
夏井先生も、少し欲張りすぎたと解説しました。
季語が2つあること、キーワードも「一帖」と「等間隔」の2つ。
夏井先生は、海苔を刻む音を言いたいのなら、一帖をあきらめて音をダメ出しで入れるといいと、思わず筒井さんも拍手してしまう添削を示されました。
艶めきて 海胆握る指 和ぎのごと
名人5段 中田喜子さん
艶めきて 海胆握る指 和ぎのごと
つやめきて うににぎるゆび なぎのごと
添削後:
和ぎのごと海胆つややかに握る指
シャリの上に海胆を乗せた瞬間、海胆をにぎる指が途端に和ぎのような柔らかさになったという句。
海胆と真っ向勝負というところが意欲があって良い、握る指を凪のようだとはなかなか思いつかない、褒めておきましょうと夏井先生。
あえて直すなら「艶めきて」と「握る」の動詞が2つがもったいない。
指の動きが凪のようだという点をクローズアップする句に添削されました。
ウニ二貫 お先にどうぞと 古女房
特待生5級 武田鉄矢さん
ウニ二貫 お先にどうぞと 古女房
うににかん おさきにどうぞと ふるにょうぼう
添削後:
「お先にどうぞ」と女房 分けあふ海胆二貫
私世代では海胆は高級品という印象で〆に頼むもの。分けるつもりの2貫だが、「あなたがお先に取りなさいよ」という女房を詠んだ句。
映像ではなくストーリーを書こうとしている句だ、と夏井先生。
微笑ましい光景でこれを書きたいという作者の気持ちは良い。
ストーリーを描くために、上五を字余りにして、会話を入れた句に添削されました。
春の闇 洗う寿司桶 荼毘し祖母
特待生3級 篠田麻里子さん
春の闇 洗う寿司桶 荼毘し祖母
はるのやみ あらうすしおけ だびしそぼ
添削後:
寿司桶洗う 祖母を荼毘せし夜の春
2年前に亡くなった祖母のお葬式の日、寿司桶を洗っているときになんともいえない気持ちがしたのを詠んだという篠田さんの句。
梅沢さんは「ホラーに読める」とコメントし、夏井先生から10人に1人くらいは亡くなったおばあさんが寿司桶を洗っていると間違って読むかもしれないので、そうならないように直しましょうと添削されました。
季語も「春の闇」でなくもう少し春が優しく残るようにされています。
篠田さんのやろうとしていることはとても良い。あとは技術を身につけましょう、と夏井先生のコメントでした。
休業と手書き 格子戸に春塵
特待生2級 皆藤愛子さん
休業と手書き 格子戸に春塵
きゅうぎょうとてがき こうしどにしゅんじん
添削後:
休業とあり 春塵の格子戸に
コロナ禍の今、街中でよく見る光景。私の大好きなお寿司屋さんも休業していて張り紙をしてあるのを詠んだという皆藤さん。
梅沢さんは「素晴らしい、完璧!」と大絶賛。
まさに今の世相を切り取り、良いと思うと夏井先生。
作者なりの工夫は感じられるが、リズムが多少ぎくしゃくしているのが気になると、夏井先生に添削されました。
季語をクローズアップするほうがいいのではと思うと夏井先生でした。
春光戦予選A・Bブロックのまとめ
春光戦決勝進出の2枠を射止めたのはFUJIWARA 藤本敏史さん、皆藤愛子さんでした。
補欠であと3枠を争うのはフルポン村上健志さんと中田喜子さんでした。
第1位 決勝進出決定
A1位 FUJIWARA 藤本敏史さん
B1位 皆藤愛子さん
補欠
A2位 フルポン村上健志さん
B2位 中田喜子さん
予選C,Dブロックも決勝もとても楽しみですよね!
今回も、最後までご覧いただきどうもありがとうございました。
春光戦決勝結果はこちら。
https://libgreen43.com/p-battle-haiku-20210325
予選C・Dブロックはこちら。
前回の冬麗戦はこちら。
昨年の春光戦はこちら。