海に面した絶好のロケーションが大人気の横須賀美術館。
新型コロナウイルス感染予防・拡散防止のため
横須賀美術館は
2020年4月27日(月)までまで
美術館が臨時休館です。
そのため長沢明展等は実質終了となりました。
とても残念です。
レストランアクアマーレ、駐車場は
4月4日現在、通常営業中です。
詳細は公式HPをご覧ください。
2020年2月8日(土)~4月12日(日)まで開催中の企画展は
長沢明展「オワリノナイフーケイ」
圧倒される巨大なスケールの作品に、日常の細々した憂いがふっとぶ「長沢明展」を観覧しました。
写真撮影が許可されていたので、作品の写真もまじえてレポートします。
横須賀美術館の観覧割引、クーポン情報、お得なアクセス情報も、最後にまとめています。
現代美術家 長沢明とは
横須賀美術館の今回の企画展は、長沢明さん初の大規模個展です。
長沢さんは、東京芸術大学大学院修了後に渡米し、帰国後に横須賀にアトリエを構えていました。ゆかりのある横須賀美術館での大規模個展開催となりました。
現在の活動拠点は山形で、東北芸術工科大学で教鞭をとりつつ制作を続けていらっしゃいます。
【受賞歴・他】
1994 TAMON賞大賞受賞、渡米
1997 五島記念文化賞美術新人賞受賞
1998年まで渡英
2004 文化庁買上優秀美術作品
2008 MOA岡田茂吉賞優秀賞
出典:art access芸術新聞社のWebマガジン’Round Aboutより
新作「メメントの森」
横須賀美術館の第1展示室の壁4面を天井までの高さで全周うめつくす巨大な作品。「メメントの森」。「和紙に墨とベンガラ」で描かれています。
「メメントの森」とはメメントモリという言葉からきています。メメント・モリとは、
ラテン語で「自分が必ず死ぬことを忘れるな」、「死を忘るなかれ」という意味の警句。芸術作品のモチーフとして広く使われる。(ウィキペディアより)
スケールに圧倒されて、観ていると日常の細々したことがスーッと抜けていくようです。
どの面も、モチーフになっている鳥、四つ足の獣たち、人間の魂が多様に入り交じり、展示室中央に腰かけて、飽きることなくずっと観ていたくなる作品でした。
トラそしてクジラ、トリ
2003年からトラのモチーフを描いている長沢さん。
誰でも知っているのに意外と離れているトラと人間の距離感がモチーフとしてよいのだそう。
確かに強さだけでなく、どこかとぼけた面白みもある、いろいろなトラの表情があります。
ブルーが印象的な長沢明さんの作品。こちらのトララララもなんだかとってもユーモラス。
福音館書店の月刊誌「こどものとも」の2019年12月号で初の絵本「あおいトラ」を描かれています。
東日本大震災以後、モチーフにはクジラ、トリが登場します。人智を越えた存在の象徴としてこうした生き物たちを描く長沢さんです。
祈りの場を獣の母体に置き換えた風景
絵馬やお守り、千社札に大量の願いが乗って圧があると感じている長沢さん。祈りの場を動物の母体に置き換えた表現をされています。
天井まである巨大な作品。
近づいてみると、一つ一つがエナメル線で吊り下げられたトラの絵馬なのです。
その数に圧倒されます。これから神社にいっても絵馬を見るたびにこの作品を思い出しそう。
Big Book Box BBB.の与える衝撃
大英博物館で本の持つ物質的な存在感に圧倒されたことがきっかけで生まれた作品「土本」。
また圧倒的な存在感を放つインスタレーション「BBB」は、見るものを圧倒します。
本に縁を感じる者にとっては、芸術とはいえこのような光景を目にすると、ざわざわとした気持ちになります。
この巨大な作品はこの場で作り上げられたもの。どうやって運び込んだのか、重かっただろうなぁと学芸員さんにお聞きしたら、この場で作られた、とのこと。
表面だけでなく内部も本が詰まっています。
真っ二つになった断面は、このとおり。
のりで固められた本たち。
そしてその間の谷から除く風景。
この間に立って写真を撮りたい衝動にかられました。(一人でいったのでかないませんでした。)
美術館のショップではまだ長沢明展図録は発売されていません。2月末日発行予定だそうです。
どうぞお楽しみに。
長沢明展のレポートのまとめ
横須賀美術館で4月まで開催されている長沢明展をレポートしました。
日常からふっと違う感覚になれるスケールの大きな展覧会でした。
ふだん美術に縁のない方でも楽しめると思います。どうぞ素敵な美術館日和を!
「長沢明によるアーティストトーク」
日時:2020年2月29日(土)14時~
場所:横須賀美術館ワークショップ室
対象:どなたでも
定員:70名(要当日企画展観覧券)
参加方法:申し込み不要
参加希望者は直接ワークショップ室へ
お問い合わせページ
「金箔銀箔でキラキラコラージュをつくろう!」
日時:2020年3月15日(日) 14:00~16:00
場所:横須賀美術館ワークショップ室
講師:長沢明(出品作家、現代美術家)
対象:5歳から小学生(保護者同伴)
定員:抽選20名
参加費:1人 1,000円
参加方法:事前申込制 詳細は公式HPから
託児サービス:あり 詳細は公式HPから
お問い合わせページ