森口瑤子さんは、2020年優秀句10句に選ばれ、2021年1月の冬麗戦を制した実力派。
ついに2021年8月に名人に昇格されました。森口さん、おめでとうございます。
森口瑤子さんの初登場からのプレバト俳句を、鑑賞して応援しましょう!
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Contents
- 森口瑤子さんの俳句一覧
- マフラーにきら 失くしたはずのピアス
- 長ゼリフ終へ 差し入れの鯛焼き
- 足踏みを五回 枯葉の音愉快
- 四番打者 四球を選ぶ子規忌かな
- ツッコミは愛なんだって啄木鳥
- 秋晴や「アリクイさんぽ三時より」
- メールぴこんぴこん シャワー中だってば
- 屑かごにある七夕 竹の死骸
- 馬の子に弄られてゐるアナウンサー
- 春愁をエスカレーター地下へ地下へ
- 嚏して スペードの位置 忘れたり
- 昨夜よりも痩せたる母の 日向ぼこ
- 秋蝉や 仰向いてなほ ぎぎと鳴く
- 座り込む アンカーの目に秋夕焼
- 嘘ばかり 綴る絵日記 カンナ咲く
- 花火果て 電車空く間の デンキブラン
- ジェラシーを 折ってたたんで白日傘
- 花疲れ リュックの底の 底に鍵
- 遠足のリュックの底に チョコの染み
- 加湿器の給水せよに起こさるる
- 風花へ しゅぱんしゅぱんとゴム鉄ぽう
- 秋てふや 夢の途中に時計鳴る
- ちゑさんの被爆ピアノや 秋はきぬ
- 謎解きの 頁に蜘蛛は果ててゐる
- 毒々しと思ふ日あり 氷菓子
- 春光やケトルの銀の艶めけり
- 道草は 砂町銀座 おでん食ふ
- シウマイは売り切れ駅も年の暮れ
- ブティックの鏡うそつき 落ち葉蹴る
- 唐黍は 縦一列を むしり食む
- 仏壇の 向日葵までも くたばりぬ
- 森口瑤子さんの俳句のまとめ
森口瑤子さんの俳句一覧
マフラーにきら 失くしたはずのピアス
冬麗戦第4位
お題「ラッキー」
マフラーにきら 失くしたはずのピアス
まふらーにきら なくしたはずのぴあす
添削後:
マフラーのフリンジ あらここにピアス
ピアスをよく失くす、失くしたと思ってあきらめていたピアス、という句、と森口さん。
現実的な意味でラッキー度が高い句だが、失くしたはずのイアリング、というフレーズは俳句では既視感がある、と夏井先生の解説。
メールぴこんぴこん、だってばの優秀句に選ばれた森口さんの句のように、より森口さんらしい句に添削してみる、と夏井先生。
「あらここに」を使った句にみんな納得。
長ゼリフ終へ 差し入れの鯛焼き
お題「たい焼き」
長ゼリフ終へ 差し入れの鯛焼き
ながせりふおえ さしいれのたいやき
添削後:
長ゼリフ終へたり 差し入れは鯛焼き
すごく緊張したところが終わって、やったー、鯛焼き食べるぞ、という句だと森口さん。
夏井先生は、七、五、四 の韻律で1音足りない調べで持ってきているこの句が、なかなかうまくいかないところがあったけど、差し入れの鯛焼きを慰めとしてなら作者の意図として良いととりました。
森口さんはご褒美的に鯛焼きをイメージしていたので、それならば明るい調べになるように、と添削されました。
足踏みを五回 枯葉の音愉快
お題「神宮外苑の銀杏」
足踏みを五回 枯葉の音愉快
あしぶみをごかい かれはのおとゆかい
添削なし
枯葉は、靴や踏む速度、走る動作などで音が面白い、足踏みをする楽しい気持ちを「五回」と「愉快」とも韻を踏んで詠んだ一句。
夏井先生は伏線が見事ど大絶賛。
足踏みをするではなく五回としたことで動作が読み手の脳内に再生されると解説。
句またがりの句で見事1ランク昇格となりました。
四番打者 四球を選ぶ子規忌かな
金秋戦第8位
お題「大谷翔平」
四番打者 四球を選ぶ子規忌かな
よばんだしゃ しきゅうをえらぶ しききかな
添削後:
バッターは四番子規忌の四球選る
季語は「子規忌」。俳人正岡子規の命日のこと。
子規が野球の「打者」「四球」「飛球」という単語を作ったことを知って、ひねり出したという一句。
夏井先生は、大谷選手から元々のルーツを辿る発想を褒め、韻律や見た時の面白さも工夫した点を絶賛。
ただし、臨場感が薄い点をもったいないと指摘し、添削されました。
ツッコミは愛なんだって啄木鳥
お題「道頓堀」
ツッコミは愛なんだって啄木鳥
つっこみはあいなんだって けらつつき
添削後:
ツッコミは愛か 真昼のおけら鳴く
「啄木鳥」(けらつつき)が季語。
大阪出身の夫に「オチは?」とダメ出しをされていたが、それは大阪人の愛といわれたことを詠んだという句。
啄木鳥がつついている姿が突っ込んでいるように見えたことから、にぎやかな道頓堀に似合うと思ったそうです。
夏井先生は、季語を夜鳴くおけらを使った「おけら鳴く」に変えて添削されました。
秋晴や「アリクイさんぽ三時より」
金秋戦予選Bブロック1位
お題「行楽の秋 鎌倉大仏」
秋晴や「アリクイさんぽ三時より」
あきばれや ありくいさんぽ さんじより
添削なし
家族みなアリクイが好きなのだという森口さん。
動物園に行くと、アリクイの部屋に一目散に行く。その時に子アリクイが散歩している所に出会ったのを詠んだという句。
夏井先生は、季語「秋晴」で気持ち良さ、「アリクイ」では動物園とわかる。
散歩が三時から始まるのを待つまでの、人物たちの表情がいろいろ見えると夏井先生が大絶賛。
メールぴこんぴこん シャワー中だってば
炎帝戦第3位
お題「メール」
メールぴこんぴこん シャワー中だってば
めーるぴこんぴこん しゃわーちゅうだってば
添削なし
「シャワー」が季語。
メールやLINEで便利になったが自由を奪われている。
シャワー中に限ってメールの通知音がぴこんぴこんと何回も鳴り、いらだつ気持ちを句にしたとと森口さん。
夏井先生は句の意外性と「ぴこんぴこん」を褒め、「だってば」の可愛い感じが良いと森口さんを大絶賛。
屑かごにある七夕 竹の死骸
お題「七夕」
屑かごにある七夕竹の死骸
くずかごにあるたなばただけのしがい
添削後:
屑かごにある七夕かざり 乾きをり
娘さんが学校で飾っていた七夕飾りを持ち帰り、くずかごに捨ててあるのを見たという一句。
夏井先生は着眼点が良いと褒め、ただ竹というと大きなイメージなるため子どもが持ち帰った「七夕かざり」とわかるように添削されました。
馬の子に弄られてゐるアナウンサー
お題「ハプニング」
馬の子に弄られてゐるアナウンサー
うまのこにいじられている あなうんさー
添削後:
馬の子になつかれ過ぎて アナウンサー
「馬の子」が季語。昔のハプニング映像で、厩舎からの中継現場で馬の子が新人アナウンサーにもてあそんでいるように見えたという句。
夏井先生は「弄られる」という書き方で「馬の子」が主役になっていないと指摘し、「馬の子」に軸足が来るように添削されました。
春愁をエスカレーター地下へ地下へ
春光戦予選Dブロック1位
お題「階段orエスカレーター」
春愁を エスカレーター地下へ地下へ
しゅんしゅうをえすかれーたー ちかへちかへ
添削なし
春のいらいらやふさぎこみの気持ちが、ちょっとしたことでひどくなると語る森口さん。
駅のエスカレーターがどんどん地下へと潜っていく、その長くのっている間にどんどん気分が落ち込んでくる様子を詠んだという句。
夏井先生は、「春愁を」と助詞に「を」を選んだ点を絶賛。
さらに、下五の「地下へ地下へ」も、映像として描けている点、リフレインが重い心に変わっていく印象にしている点も多いに称賛されていました。
嚏して スペードの位置 忘れたり
冬麗戦 第3位
お題「人生ゲーム」
嚏して スペードの位置 忘れたり
くしゃみして すぺーどのいち わすれたり
添削なし
人生ゲームの写真から、トランプに発想を飛ばした一句。
神経衰弱をしているときに嚏をしてスペードの位置を忘れてしまったという句です。
夏井先生は、「スペードで神経衰弱だとわからせるのがよい。集中力が途切れるきっかけとしての嚏の季語。これの場合はリアリティが高いので因果関係が邪魔になっていないので、その匙加減もお上手と、大絶賛でした。
昨夜よりも痩せたる母の 日向ぼこ
お題「カーテンを開けた瞬間」
昨夜よりも痩せたる母の 日向ぼこ
よべよりもやせたる ははのひなたぼこ
添削後:
昨夜より やせしか 日向ぼこの母
お母様が亡くなる前に弱っていく中、日向ぼっこをしているお母様が、昨夜よりもやつれたように感じた、という森口さんの句。
夏井先生は「痩せたる」という完了形ではなく、痩せたように感じたということがわかる句に添削されました。
秋蝉や 仰向いてなほ ぎぎと鳴く
金秋戦決勝10位
お題「バッテリー切れ間近」
秋蝉や 仰向いてなほ ぎぎと鳴く
あきせみや あおむいてなほ ぎぎとなく
添削後:
仰向いて ぎぎと鳴きけり 秋の蝉
草むらに瀕死の蝉がいて、ひっくり返っているのに、ぎぎ、ぎぎと鳴いているという句だそうです。
どこが悪いというところはないが、詠んだ内容が俳句の世界では相当数あるという点が残念で、語順を変えて「仰向いて」から始める句に添削されました。
座り込む アンカーの目に秋夕焼
金秋戦Aブロック2位
お題「スポーツの秋」
座り込む アンカーの目に秋夕焼
すわりこむ あんかーのめに あきゆやけ
添削後:
座り込むアンカー 秋夕焼くずる
くずおれるアンカー 秋夕焼赫し
子供の運動会のリレーのアンカーが、頑張りむなしく負けてしまって、終わったときに座り込んでしまっていた。夕焼けをみながら何を感じているのかと詠んだ句だそうです。
夏井先生は、アンカーという言葉だけで種目がわかる。座り込むという動作がわかる。無理なく言葉がつむげていると高評価。
ただ、負けて座り込んでいるのか、全力を尽くして立ち上げれなくなって勝っているのかが微妙にわかりにくい、と、負けていると示唆する言葉を入れて添削されました。
嘘ばかり 綴る絵日記 カンナ咲く
お題「宿題」
嘘ばかり 綴る絵日記 カンナ咲く
うそばかり つづるえにっき かんなさく
添削後:
カンナは緋なり 絵日記は嘘ばかり
夏休みの宿題の絵日記に、ひとつも本当のことを書かないで、最後の方に適当なことばかり書いて提出してすみませんでした、という句、だそうです。
季語がわき役になっているという、夏井先生の評価でした。
季語「カンナ」といった瞬間に咲いているのだそうです。
カンナの色に「緋」を持ってきて、真っ赤な嘘のように響きあう句に添削されました。
花火果て 電車空く間の デンキブラン
お題「打ち揚げ花火」
花火果て 電車空く間の デンキブラン
はなびはて でんしゃすくまの でんきぶらん
添削なし
隅田川の花火に行ったとき、いつまでも電車が空かなくて神谷バーにいって有名なカクテル「デンキブラン」を飲んで待っていたという実体験を詠んだ句だそうです。
「果て」から「空く間」の時間経過の是非が評価のポイント。
17音の中で時間経過を詠むのは難しいが、時間感覚が絶妙だという夏井先生の評価です。
さらに、最後の押さえの「デンキブラン」が良く、大人の俳句になっていると絶賛されました。
この句で森口瑤子さんは、1ランク昇格で、名人初段に昇格です。
森口さん、おめでとうございます!
ジェラシーを 折ってたたんで白日傘
お題「折りたたみ傘」
ジェラシーを 折ってたたんで白日傘
じぇらしーを おってたたんで しろひがさ
添削なし
ジェラシーって一番やっかいな感情。自分の中の黒いものを、純粋さを表す白日傘の貴婦人のように入れたという森口さんの句。
この句で森口さんは1ランク昇格で、特待生1級に昇格です。
対比が巧いと夏井先生。重い感情を一句に読み込んで季語を主役にするのは褒めたい。
折ったりたたんだりできないものを折ってたたんでいるのも俳句の巧いやり方。
「白」は印象が非常に鮮明になるが、ジェラシーのどす黒い心理的な対比を狙っている。
夏井先生は森口さんをこの人の伸びている力は目覚ましいものがある、と大絶賛でした。
花疲れ リュックの底の 底に鍵
お題「リュック」
花疲れ リュックの底の 底に鍵
はなづかれ りゅっくのそこの そこにかぎ
添削なし
疲れ切って家に帰ってきて早く家に入ってゆっくりしたいのに、鍵が出てこないという実体験を詠んだ句。
夏井先生の査定の結果、森口さんは「1ランク昇格」で見事、特待生2級に昇進しました。
夏井先生からは、丁寧に自分の実体験を作れた、手の感覚が伝わるとの感想。
「花疲れ」は心身、体、心が花見や人込みに疲れた気配がでる美しい季語。
「〇の〇の〇に」という助詞の使い方で、覗き込んで探る様子、さらに最後に鍵という物が出てくることで心身の疲れという季語をものによって表現しているところが、特待生の技術だと大絶賛でした。
遠足のリュックの底に チョコの染み
春光戦Cブロック第3位
お題「きのこの山」と「たけのこの里」
遠足のリュックの底に チョコの染み
えんそくのりゅっくのそこに ちょこのしみ
添削後:
遠足のリュックの底の染みはチョコ
小学校の頃、遠足でチョコレートを持って行ってそのままにしていたら次に遠足に行くときリュックの底にチョコの染みがあって、そのまま卒業までリュックを使ったという体験を詠んだ、と森口さん。
「に」と「の」とで迷ったという森口さんでした。
この句は素直に自分の体験を書いている。そして染みがチョコだとわかったときに甘い匂いがしてくるところもいいと夏井先生。
森口さんが気にしていた「に」と語順が問題、と添削されました。
こうすると、この染みはなんだ?この前の遠足のチョコだ!となってまた「遠足」という季語が活かされる、と夏井先生。
加湿器の給水せよに起こさるる
お題「加湿器」
加湿器の給水せよに起こさるる
かしつきの きゅうすいせよに おこさるる
添削後:
加湿器の「給水せよ」と吾を起こす
加湿器の給水ランプに起こさるる
加湿器は水が入ってるときは役に立つが、水がなくなるとランプの点滅で起こされてイライラしている、という句。
この句の査定の結果は「現状維持」
夏井先生からは、中七の言葉の選び方が中途半端、という評価。
シンプルな書き方はとても良い。状況もわかる、ささやかに引っかかるのは中七。
擬人化なら、「「給水せよ」と吾を起こす」までやったほうが良い。そうでなければ、給水ランプとするほうが良い、と添削されました。
とはいえ、森口さんは「あなたはシンプルさが持ち味。このままいきましょう!」と夏井先生から褒められました。
風花へ しゅぱんしゅぱんとゴム鉄ぽう
お題「輪ゴム」
風花へ しゅぱんしゅぱんとゴム鉄ぽう
かざはなへ しゅぱんしゅぱんと ごむてっぽう
添削なし
最初はうちの中でゴム鉄砲で遊んでいたが、「外に出なさい」と言われて、風花にしゅぱんしゅぱんと打っていたのを詠んだ句、と森口さん。
シンプルで映像が浮かんで、読んでいて気持ちいい句だと夏井先生。
風花は冬晴の晴れた青空に雪の切片が飛んでくるもの。
「風花へ」の「へ」で何だろうと思うと、「しゅぱんしゅぱん」とオノマトペが出てくる。
風花の感触と、ゴム鉄ぽうの感触と上手につなげている。
「素晴らしいです」と夏井先生大絶賛でした。
森口さんは唯一の特待生として出場され、見事に下剋上優勝を果たされました。
秋てふや 夢の途中に時計鳴る
お題「7時過ぎの時計」
秋てふや 夢の途中に時計鳴る
あきちょうや ゆめのとちゅうに とけいなる
添削後:
秋てふや 夢の途中を 鳴る時計
ふだんの生活で実体のないものを追いかける夢を見るが、途中でアラームで目が覚めるのを詠んだという森口さん。
夏井先生は、もったいないのは着地のところが「落ち」になってしまうところだと解説。
鳴る時計にすると軸足が時計にいく。
「を」は経過していく時間をぼんやりと表現するように添削されました。
ちゑさんの被爆ピアノや 秋はきぬ
金秋戦予選Aブロック1位
お題「ピアノ」
ちゑさんの被爆ピアノや 秋はきぬ
ちえさんの ひばくぴあのや あきはきぬ
添削なし
今年「お母さんの被爆ピアノ」という映画に出演させていただいて、「被爆ピアノ」というものがあるのを知った。
主のいなくなったピアノにも秋がきて冬がきて75年間、繰り返してきたんだなぁという句だそうです。
心に染み入るような句ですね、と夏井先生。
「ゑ」が時代の手触りを見せてくれる。「被爆ピアノ」という言葉だけで語るものがものすごくたくさんある。
かつて「ちゑさん」が愛用していたピアノが原爆でということが全部入る。「や」は強調を受け止めるだけのものになっている。
必要以上のことは言わないで「秋はきぬ」という季語に全部託すという季語。
きっちりと見事に素晴らしい作品だったと思います、と夏井先生。
謎解きの 頁に蜘蛛は果ててゐる
お題「本棚」
謎解きの 頁に蜘蛛は果ててゐる
なぞときのぺーじに くもは はてている
添削なし
よく本棚の整理をするが、古いミステリーに細い蜘蛛が押し花のように挟まっていた。そのまま閉じてしまったという句。
夏井先生は、とても良かったと思う。「謎解きの頁」で読んでいるのが推理小説だとわかる。言葉の経済効率が良い。と高く評価。
「に」は場所、ページに蜘蛛。「は」で読者は興味を持ち始める。「果ててゐる」という淡々とした描写が良かった。「あなたはセンスがある!」と大絶賛でした。
おめでとうございます。
毒々しと思ふ日あり 氷菓子
炎帝戦予選Cブロック4位
お題「アイスクリーム売り場」
毒々しと思ふ日あり 氷菓子
どくどくしと おもうひあり こおりがし
添削後:
毒々しと思ふ 氷菓子も人も
毒々しと思ふ 氷菓も人も吾も
甘くて冷たくて美味しいアイスだけど、甘すぎたり色がどぎついものがある。それと同じに優しくみんなから好かれている人にも毒を感じるときがあるなぁという句だそうです。
五・七・五にリズムを整えて「人も」毒々しと思ったのならそれを書いた方がいいと夏井先生の添削でした。
春光やケトルの銀の艶めけり
春光戦戦予選Aブロック5位
お題「カップラーメン」
春光やケトルの銀の艶めけり
しゅんこうや けとるのぎんのつやめけり
添削後:
春光や 朝のケトルの銀の艶
カップ麺が大好きなので、やかんで沸かしてお湯を入れる。窓からの光がケトルに降り注ぎ美しかったという句。
基本の型にきっちり入れていて勉強のあとが見える。
もったいない点が2つ。「春光」という季語は、本来は春の光景を意味する季語。艶めけりに比重がかかりすぎて、「春光」という季語を後半が食ってしまう。
「艶」で止めたほうがいいと夏井先生。
道草は 砂町銀座 おでん食ふ
お題「銀座での買い物」
道草は 砂町銀座 おでん食ふ
みちくさは すなまちぎんざ おでんくう
添削なし
森口さんの高校生の頃の道草を詠んだ句です。
道草という言葉は馬が道端の草を食べるところから。食べているのが草ではなく「おでん」であるいうところがウィットに富んでいるという夏井先生。
森口さん初めての特待生査定で「1ランク昇格!」早くも特待生4級に昇格されました。
森口さんおめでとうございます。
夏井先生は、背伸びをしない形で俳句を書くスタンスは絶対変えないほうが良い!と森口さんの俳句を詠むスタイルを高く評価していましたよ。
シウマイは売り切れ駅も年の暮れ

お題「年末年始の駅弁売り場」
シウマイは売り切れ駅も年の暮れ
しうまいは うりきれ えきもとしのくれ
添削後:
シウマイは売り切れ駅は年の暮
お父様が好きな崎陽軒のシウマイ弁当を仕事帰りに買って帰ったときの句。
「も」が惜しかったと夏井先生に添削されました。
ブティックの鏡うそつき 落ち葉蹴る
お題「試着室」
ブティックの鏡うそつき 落ち葉蹴る
ぶてぃっくの かがみうそつき おちばける
添削なし
夏井先生は、ブティックの鏡を嘘つき!とののしるところを評価。
ただ似合わないとがっかりするのではなくて、鏡を「うそつき」とののしってしまう強烈さと、さらに「蹴る」という行動のバランスが良いところが評価されました。
せっかく似合うと思った服が、実はあまり似合っていなかったとわかったときのがっかり感。共感します。
森口さんはこの句で、夏井先生から「この人は特待生になっても大丈夫!」と大絶賛され、晴れて特待生に!
唐黍は 縦一列を むしり食む

お題「秋の果物屋さん」
唐黍は 縦一列を むしり食む
とうきびは たていちれつを むしりはむ
添削後:
唐黍まず縦一列をむしり食む
秋の果物屋さんの店先の様子から、トウモロコシに発想を飛ばして詠んだ句。
夏井先生は、唐黍の食べ方を詠んだこの句に、それがどうした?という内容が文学作品になるのが俳句の面白いところだと解説しました。
トウモロコシの食べ方には個性が出るので楽しい句だと思います。
夏井先生は、食む(はむ)という昔の表現に滑稽みがあると解説してくれました。
仏壇の 向日葵までも くたばりぬ
お題「35℃の電光掲示板」
仏壇の 向日葵までも くたばりぬ
ぶつだんの ひまわりまでも くたばりぬ
添削後:
仏壇の 向日葵も くたばつてゐる
お母さまが春に亡くされた森口さんが、仏壇に向日葵を飾ったら、猛暑であっという間に枯れてしまったという句。
「くたばりぬ」という表現がお母さまと向日葵にかかっているといい、森口さんのような雰囲気のかたから「くたばる」という言葉が出るところに驚きました。
夏井先生は、森口さんの言葉選びのセンスを評価。初登場からこの人はすごそうというインパクトを残した俳句でした。
森口瑤子さんの俳句のまとめ
森口さんのご主人は有名な脚本家の坂元裕二さん。
そのため浜田さんには、(俳句を)自分で作ったのかといじられてしまう森口さんですが、すでに特待生。
これからもっともっとご出演されると思います。
とても楽しみにしています。
管理人は強い言葉がちりばめられて滑稽味がある森口さんの句がとても好きです。
皆さんもお気に入りの句の「いいね!」をクリックしてくださいね。
このサイトを森口さんが観てくださると嬉しいな!と思います。
ご活躍を応援しています。
森口瑤子さんの過去の全俳句はこちらのプロキオンさんのサイトから!
成績も含めてすべての情報がまとまっています。
森口さん応援しました
最高に3位とってぐださい
浜田さんの裏顔を解いてぐたさいね
コメントありがとうございます!森口さんの俳句、良いですよね!
メールぴこんぴこん、が特に好きです