「働き方の未来を的確に予測し、精神的な幸福と経済的な豊かさを得られる働き方を見つける」本を見つけました。
2019年7月現在「働き方改革」が推し進められています。
仕組みの上では「働き方改革」でベースが少しずつ整えられていきますが、むしろ大事なのは、幸福感とやりがいのある職業生活をどう築けるかということ。
それには個人個人の意識の面から変えていかなくてはなりません。
どう変えたらいいのか?そのヒントが書かれた本の紹介です。
就活しようとしている人、転職・副業をしようとしている人へ
今まさに職業を選ぼうとしている若い人たち。
また、これからの働き方をどう変えていこうかと迷っている40代、50代の人たち。
10数年先にどんな働き方の未来がくるのか、だからどう仕事を選んで、また働き方をどうシフトしていったらいいのか。
そのような不安を抱える人たちが、「働き方の未来を的確に予測し、精神的な幸福と経済的な豊かさを得られる働き方を見つける」ようになること。
そのために、この本が書かれました。
きっかけは、10代の息子達に「働き方」のアドバイスができなかったこと
著者のリンダ・グラットンさんは二人の息子を持つ、ロンドン・ビジネススクール教授で、企業コンサルタントも務める、経営組織論の世界的な権威のあるビジネス理論家(出版当時の情報)です。
にも関わらず、ある朝二人の息子さんたちが母親であるリンダさんに、将来就きたい職業についてアドバイスを求めてきたとき、役立つ助言ができなかったことがきっかけで「ワーク・シフト」は生まれました。
それはこの本が書かれた2012年当時、すでに社会の土台が変わり、それまでの常識が覆される時代が始まっているために、リンダさんでさえありきたりのアドバイスしかできなくなっていたのです。
リンダ・グラットンさんは、この著作の中で、
「私たちはどうすれば、幸福感とやりがいを味わえる職業生活を築けるのか。子どもたちに、どういうアドバイスを送ればいいのか。私自身、働き方の未来を研究しはじめたきっかけの一つは、息子たちにキャリアに関しての適切な助言をしたいと思ったことだった。」p231 と書いています。
若い人たちが「どこで働けば、いちばん稼げるのか?未来に備えて、どういった能力を磨けばいいのか?どうのようなキャリアの道筋を描けばいいのか?」(本文より)
また、現役企業幹部たちが「いつの時点で仕事を退くべきなのか、退職後はどうやって過ごせばいいのか、どうやってキャリアの途中でサバティカル(長時間仕事を離れて、学校に通ったり、ボランティア活動などをしたりして過ごす骨休め休暇)を取ればいいのか、勤務先の会社に対してなにを主張すべきなのか」(本文より)
リンダさんにぶつけられたこういった問いに答えるために、「未来の働き方」の研究が進みました。
8つのストーリーで描かれる2種類の未来
この本でははじめに、未来の働き方を形づくる要因が、以下の5つと分析されています。
要因1テクノロジーの進化
要因2グローバル化の進展
要因3人工構成の変化と長寿化
要因4社会の変化
要因5エネルギー環境問題の深刻化
次にこの5つの要因から著者は、32の現象・要素を洗い出しています。
そして面白いのは、5つの要因と32の要素から、近未来(2025年)に私たちがどのような働き方をしているのか「漫然と迎える未来」と「主体的に築く未来」の2パターンの未来を予想していることです。
しかもその2パターンは、具体的な人物の2025年のある1日のストーリーとして、シナリオ仕立ての未来予想として書かれているのです。
これはとても未来をイメージしやすい!
誰にでもわかる未来の働き方ストーリーです。
しかもそのうち、5つは私たちが流されるまま漫然と迎えてしまった未来のシナリオ。
残りの3つは私たちが、主体的に築いていった場合の未来のシナリオです。
例えば、そのストーリーはこんな風です。
「漫然と迎える未来」のシナリオ
イギリスのロンドン在住 会社員、ジルの1日
インドのムンバイ在住 脳外科医、ローハンの1日
エジプトのカイロ在住 フリーランスプログラマー、アモンの1日
アメリカのオハイオ州在住 アルバイト、ブリアナの1日
ベルギーのリエージュ在住 アルバイト、アンドレの1日
「主体的に築く未来」のシナリオ
ブラジルのリオデジャネイロ在住 市の非常勤評議員、ミゲルの1日
バングラデシュのチッタゴン在住 人道援助活動中、ジョンとスーザンの1日
中国の河南省在住 個人事業家、シュイ・リーの一日
具体的な人物のシナリオ仕立てで未来予想として書かれているので、イメージがありありと浮かびます。
「漫然と迎える未来」のシナリオ、これは読むとゾッとします。
これらのストーリーを通して、著者は私たちに
・固定観点を問い直すこと
を求めているのです。
この本が出版されたのは2012年で今は2019年ですから、この本が予想した未来2025年への道のりの半分以上が過ぎています。
さて、現在進行形の未来の働き方への道は「漫然と迎える未来」と「主体的に築く未来」のどちらのストーリーに近づいているのでしょうか。
SNS利用者、ブロガーならきっと共感する 3つのワーク・シフト
結論として、著者は3つのワークシフトが必要と書いています。
Twitter,FacebookなどのSNSを利用している皆さんや,ブログで発信している皆さんなら、きっと共感できるワーク・シフトだと思います。
どんなシフトをするべきと著者が薦めているのか、ぜひ読んでみてください。
この本を私が読むきっかけにになった、ちきりんさんの「未来の働き方を考えよう」は以下の記事で紹介しています。
ではでは、また。