林修先生は、東進ハイスクール予備校のカリスマ講師でありながら、タレントとしてもその賢者ぶりから冠番組を持つ才人です。
今回は史上初、初登場3句で名人昇格をかけての一発査定に出演。
半年分のプレバト俳句コーナーの放送を分析してきたという言葉どおり、見事な句で、特待生1級の実力と認められました。
特待生に昇格された林先生、おめでとうございます。
林修先生のプレバト俳句を、鑑賞して応援しましょう!
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林修先生の俳句一覧
2020年9月の俳句
3つのお題で3句詠み、すべて才能アリなら一足飛びに名人昇格も見えてくるという林先生の特別査定でした。
望月や 無駄一つなき 我が板書
1問目
お題「黒板」
林 修さん
望月や 無駄一つなき 我が板書
もちづきや むだひとつなき わがばんしょ
添削後:
望月は明し 無駄なき我が板書
黒板は林先生ご自身の商売道具の一つ。我ながらこんなに上手く板書が書けるものか、と望月をみながら詠んだ句。
夏井先生のこの句の査定結果は「才能アリ」
基本の型で手堅くとっていくぞ!という感が溢れている、さすが勉強の成果だと夏井先生。
中七「無駄一つなき」は、ここまでストレートに自信をもって書くのは凄い、初めて見た、さすが林先生!と驚きを隠せません。
ただ俳句的には中七が自慢しすぎ、説明しすぎていて、季語の「望月」の比重が低くなってしまう。
自慢を半分にして、「望月」を強調するために捨て石的に「明し」をいれて添削されました。
おつかいの坂や 新米 二十キロ
2問目
お題「白米」
林 修さん
おつかいの坂や 新米 二十キロ
おつかいのさかや しんまい にじゅっきろ
添削なし
人生で3回100kgを越えたことがあるという林先生。
家じゅうの米を勝手に食べてしまうことにお母さんが怒り、「食べた分は買ってこい!」と新米を20キロ買ってこさせられた。
新米20キロを自転車に積むとハンドルを取られて本当に危ない、という体験を詠んだ句。
お題「白米」は、情報が少ない名人、特待生向けのお題。
夏井先生の査定結果は「才能アリ」
夏井先生の解説は、次のようなものでした。
おつかいという言葉で子どものイメージが出てくる、坂と強調するだけで、帰りの坂を何か持って歩いているに違いないと読める。
前半の展開がシンプルだけれど伝わってくる。後半は季語と数詞だけで映像を表現している。
子どもが新米を20キロというだけで本当に持てるのかと思った瞬間、自転車に積んで押して上がっているのかもと想像した、と夏井先生。
しかも、「(初登場で)句またがりよ!」と夏井先生が感心していました。
月煌々 実朝のやぐら をぐらし
3問目
お題「鎌倉と月」
林 修さん
月煌々 実朝のやぐら をぐらし
つきこうこう さねとものやぐら おぐらし
添削後:
実朝のやぐら をぐらし 月煌々
雪月花といわれる三大季語の「月」。夏井先生によると、こういうベタなお題ほど難しいものはないのだそうです。
やぐらとは鎌倉市周辺の山や崖に点在する横穴式のお墓のこと。
この句を林先生はこう説明します。
源氏は実朝で途絶えるが、寿福寺という鎌倉五山第三位のひそやかなお寺に、実朝のお墓がある。
源氏の栄華がこんな形にしか残っていないのか、というところを詠めないかと思ったという林先生。
「をぐらし(小暗し)」とは「薄暗い」という意味の言葉だそうです。
夏井先生の査定の結果は「才能アリ」
ベタなお題で難しいが、人物を出してくるあたりが上手い。
わざとリズムを少しずらして自分の感慨を出そうとする意図だと思う、と夏井先生。
「煌々」と「をぐらし(薄暗い)」で対比している、と解説。
林先生は、名人査定の3句すべて才能アリという結果でした。
この3句から、夏井先生が査定した林先生の実力は、「特待生1級」
3句とも違う型をぶつけてくるところを評価されました。
しかしながら、名人にいま一歩届かなかったのは、実朝への思いが強すぎるための語順が原因だそうです。
寂寥感をもって感情がたまっていて出来上がった句になっているが、俳句では、季語を主役にしてもらいたい、と「月」が主役になる順番に変えて添削されました。
林先生は、いろいろなところに敵を作っているので、いきなり名人にならなくて良かったと、安堵。
林先生、すごすぎます。
林先生が、今後もプレバトに出演してくださるのかは不明ですが、プレバトファンとしては時々特別出演していただけたらなぁと思います。