秋の俳句タイトル戦「金秋戦」2021の決勝の10名が決まりました。
予選A~Cブロックの1位通過者全員と2位3人の中から選ばれた2名、さらにシードの5名の方々です。
唯一の特待生Kis-My-Ft2北山さんの活躍が見どころ。
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金秋戦決勝の出場者は?
金秋戦シード枠の参加者は?
シード枠の5名は、次のそうそうたる顔ぶれの皆さんです。
永世名人 梅沢富美男さん
永世名人 東国原英夫さん
名人10段 村上健志さん
名人7段 千原ジュニアさん
名人7段 Kis-My-Ft2 横尾渉さん
予選A・B・Cブロックからの決勝進出者と予選の句は?
予選を勝ち抜いて、決勝進出を決めた5名は、こちらの皆さんです。
予選の句を振り返ってから決勝を鑑賞しましょう!
お題「スポーツの秋」
A1位 中田喜子さん
しぶき上げ復活の秋 ひとりじめ
お題「食欲の秋」
B1位 FUJIWARA藤本敏史さん
魚群探知機 朝寒のがなり声
お題「読書の秋」
C1位 Kis-My-Ft2 北山宏光さん
秋声や 台詞をなぞる 蛍光ペン
お題「スポーツの秋」
A2位 森口瑤子さん
座り込む アンカーの目に秋夕焼
お題「食欲の秋」
B2位 立川志らくさん
《首つりの家》には林檎は無いのか
名人の中にたった1名進出した特待生Kis-My-Ft2北山さん。予選の句の評価がとても高く、夏のタイトル戦でも好調なので、大健闘の予感。
2021金秋戦決勝のお題
夏井先生からの金秋戦決勝のお題は「バッテリー切れ間近」
いつも使う携帯電話は実感を込めやすいお題だからこそ、似たような発想になりやすいという懸念がある、難しいお題だそうです。
放送での発表順に順位と俳句の発表です
決勝でも浜田さんの発表順に、順位と俳句を鑑賞していきますね。
携帯をタコ足充電 夜学校
携帯をタコ足充電 夜学校
添削後:
タコ足充電 夜学の携帯とりどり
永世名人が7位という大波乱での金秋戦開始でスタジオが騒然としました。
夜学に通っていた経験のある東国原さんが、仕事終わりに集まってきたいろいろな生徒さんがいる教室の、タコ足充電されている携帯を詠んだ句です。
中八の「タコ足充電」を上五の字余りにしておくことで、最後の視点を「夜学校」と広げずに、携帯をクローズアップする句として添削されました。
龍淵に潜む 充電切れスマホ
龍淵に潜む 充電切れスマホ
りゅうふちにひそむ じゅうでんきれすまほ
添削後:
真っ黒な液晶画面 龍淵に
東国原さんに続いて、まさかの永世名人梅沢さんが6位で拗ねてしまうという大波乱。
充電が切れて暗い画面になったスマホを、その中に龍が潜んでいるのではと発想を飛ばして、秋分の頃の季語「龍淵に潜む」と詠んだ句です。
夏井先生は、説明にあった「暗い画面」を使って映像にすればいいだけ、と添削されました。こうしていたら1位、2位だったそうです。
発電機 運ぶ赤鬼 村祭り
発電機 運ぶ赤鬼 村祭り
はつでんき はこぶあかおに むらまつり
添削なし
「村祭り」が季語。お祭りの鬼役の人が、発電機を運んでいるという句、と村上さん。
赤鬼が出ることで小さな意外性があり、最後に村祭りが出てくる点もよく考えられている語順だと思うと夏井先生。
それなのに5位になった理由は、村の行事、催し物の同じ発想の句がないことはないためで、そこが損したところだそうです。
直しはいらない、と夏井先生。
まず雁の飛来を尋ね 長電話
まず雁の飛来を尋ね 長電話
添削なし
地方の沼に秋の終わりに雁の群れが飛来すると知った藤本さんが、周辺の人たちはそれをみて秋の終わりを感じている、都会に出ている人との電話の時に、雁の飛来から聞いて長電話をしている、という様子を詠んだ句だそうです。
いい句だな、と夏井先生。
俳句には、「まず何々を聞く」」という型がありその型をうまく使っているそうです。
「雁」は季語で、作者の故郷の光景も浮かんでくる、尋ねるという思いも伝わってくる、そして着地として「長電話」がしみじみとした感じがある、と添削なしでした。
秋雷や 絶縁破壊 長き闇
秋雷や 絶縁破壊 長き闇
添削後:
秋雷や 絶縁破壊の 闇長し
雷でバッテリーが壊れてしまって長い闇になったという、まじめに兼題写真を受け取って詠んだという句だと中田さん。
「絶縁破壊」という言葉があるのかと調べたという夏井先生。そういう言葉があるのだそうです。
三段切れっぽくなってしまっているのでそこは解消しておいた方がよい、と添削されました。
夜半の秋 次子に授乳の妻ZZZ
夜半の秋 次子に授乳の妻ZZZ
よわのあき じしにじゅにゅうのつま ずずず
添削後:
次子に乳 あきの夜半なる妻ZZZ
ジュニアさんは、2人目のお子さんがいるのだそうです。奥さんが夜中に起きてソファで次男に授乳しているが、疲れて奥さんも寝てしまっているのが充電が切れている感じだ、とZZZと表現して詠んだ句です。
夏井先生は、「次子」で2人目の子だとわかり、なおさら育児の疲れがわかる、ZZZも良い、もったいないのは「夜半の秋」という季語と解説。
見えない時候の季語「夜半の秋」を、妻を通して見える句として添削されました。
静かに文を破く ふと秋蛍
静かに文を破く ふと秋蛍
しずかにふみをやぶく ふとあきほたる
添削なし
添削例:静かに文を破く 秋蛍ほのと
充電切れから「秋の蛍」を思いついた、文は私の中ではラブレターで、「ラブレター」という語を書かずに浮かび上がるように詠んだと志らくさん。
文を破くという行為と秋の蛍を取り合わせるところに詩がある、と夏井先生。
俳句の世界では2音たりない時に「ふと」、3音足りない時に「少し」を使うことが多いので、直さなくてもいいが、秋蛍の描写を入れる添削例を示されました。
フリードリンク 夜学子の電子辞書
フリードリンク 夜学子の電子辞書
ふりーどりんく やがくしのでんしじしょ
添削なし
この句はすべて足して17音となる七、五、五の句。
学校終わりにファミレスで勉強していて電子辞書の充電がなくなってしまう、という句だと横尾さん。
「フリードリンク」から入ってくるのが成功した、と夏井先生。「夜学子」が季語で夜学に通っている生徒のことだそうです。
上五中七で映像が立ち上がってくる。登場人物も見せてくれる、と夏井先生の大絶賛でした。
秋蝉や 仰向いてなほ ぎぎと鳴く
秋蝉や 仰向いてなほ ぎぎと鳴く
あきせみや あおむいてなほ ぎぎとなく
添削後:
仰向いて ぎぎと鳴きけり 秋の蝉
草むらに瀕死の蝉がいて、ひっくり返っているのに、ぎぎ、ぎぎと鳴いているという句だそうです。
どこが悪いというところはない、と夏井先生。
ただ、詠んだ内容が俳句の世界では相当数あるという点だけが問題だったそうです。
語順を変えて「仰向いて」から始める句に添削されました。
スマホ死す 画面に浮かぶ指紋と月
スマホ死す 画面に浮かぶ指紋と月
すまほしす がめんにうがぶ しもんとつき
添削なし
今風の言葉で充電が切れたことを「スマホ死す」というと北山さん。電源が切れて真っ暗になった画面に指紋と月が浮かんだ様子を詠んだ句です。
この句の作者がわかってびっくりしましたという夏井先生。東国原さんの句だと思っていたのだそうです。
作者がわかってみると「スマホが死ぬ」という言葉遣いは若い人たちの言い方だった、と納得のご様子。
普通は俳句で「浮かぶ」というと映像になっていない使い方が多いそうですが、これは本当に画面に浮かびあがる指紋、そして月も一緒に映る、「月」という季語とスマホを取り合わせてこれだけの印象的な映像をつくれるのはびっくりだ、と夏井先生、大絶賛でした。
おめでとうございます。
2021金秋戦決勝のまとめ
今年の金秋戦は大波乱、大下剋上の北山さんが初優勝を飾りました。
Kis-My-Ft2が1,2フィニッシュという大快挙でしたね。
俳句四天王が4位から7位というのも驚きました。
お題のスマホが波乱を巻き起こしたのかもしれません。
みどころいっぱいの秋のタイトル戦でした。
1位 Kis-My-Ft2 北山宏光さん
2位 Kis-My-Ft2 横尾渉さん
3位 立川志らくさん
ここまで春のタイトル戦シード!
4位 FUJIWARA 藤本敏史さん
5位 村上健志さん
6位 梅沢富美男さん
7位 東国原英夫さん
8位 中田喜子さん
9位 千原ジュニアさん
10位 森口瑤子さん
最後までご覧いただき、ありがとうございました。